インタビュー
» 2008年12月08日 06時00分 UPDATE

山口揚平氏が教える“会社の本質”:スターバックスに“死角”はあるのか? ポイントは米国本社との関係 (1/2)

「会社の価値の源泉」とはどういう意味だろうか? 企業の決算書は読めても、“価値”については考えたことがない人も多いだろう。数字には表れない価値をどのようにして見抜けばいいのか、ブルー・マーリン・パートナーズの山口揚平氏に語ってもらった。

[土肥義則,Business Media 誠]

山口揚平(やまぐち・ようへい)

早稲田大学政治経済学部卒。トーマツコンサルティング、アーサーアンダーセン、デロイト トーマツ コンサルティング、アビームM&Aコンサルティング シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、現在はブルー・マーリン・パートナーズの代表。主な著書に『株M&A大化け相場に乗り遅れるな!』(日本実業出版社 2005年)、『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社 2005年)、『世界を変える会社の作り方』(2008年、PDF)、『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座 会社の本質を見抜く9つのポイント』(日本実業出版社)など。Business Media 誠では2007年4月〜12月まで連載「時事日想」を執筆


 企業の価値とは何だろうか? 「決算書を見れば分かる」「時価総額のことだ」といった意見もあるだろう。それでは数字に表れない「企業価値の源泉」があるとすれば、どのようにして見抜けばいいのだろうか? こんな質問をされたら、考え込んでしまう人も多いのではないか。

 かつて大型M&Aの案件を手掛けてきたブルー・マーリン・パートナーズ代表の山口揚平氏は、企業の「目に見えない」価値を見抜く、という作業を行ってきた。「もちろん財務諸表などを分析し、すべての数字を把握することは欠かせない。しかしそれだけでは不十分で、『なぜその企業の利益率が高いのか』と自分の頭で考え、企業価値の源泉を見つけることが大切」と山口氏は説明する。

 「目に見えない」数字とは、どういう意味を指すのだろうか。山口氏の著書『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座 会社の本質を見抜く9つのポイント』(日本実業出版社)の中でも触れている、「スターバックス コーヒー ジャパン」(スターバックス)を事例に挙げ、外資系企業の経営システムなどを紹介する。

スターバックスとドトール、どっちが“強い”?

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 スターバックスは1971年、米国のワシントン州で誕生。そして日本には25年後の1996年、東京・銀座に1号店がオープンし、2008年3月末時点で776店舗に達している。

 スターバックスの競合他社といえば、同じコーヒーチェーンのドトールコーヒー(ドトール)。そのドトールとスターバックスの売上高営業利益率(企業の本業での収益力)を見ると、2007年3月期にスターバックスが逆転。スターバックスはほぼ直営店だが、ドトールの多くの店舗はフランチャイズだ。

 一般的に直営店の場合は、建物などの固定資産や人件費などがかさむため、資本効率が悪くなる傾向がある。「しかしスターバックスは収益性の面で、ドトールを上回っている。これはスターバックスがブランド力を高め、高価格の商品を顧客に訴求できているため」(山口氏)と評価する。

 またスターバックスは今後、どこまで成長することができるのだろうか。外食産業総合調査研究センターの調査によると、1997年の喫茶業市場規模は1兆4000億円だったが、2007年には1兆600億円に縮小。だがセルフ型のチェーン店は増加傾向にあり、スターバックスが成長する見込みは強い。とはいえ成長はいずれ止まるものだとすれば、それはいつごろなのだろうか。この点について、山口氏は以下のように分析している。

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