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» 2008年12月06日 07時00分 UPDATE

ホンダはなぜF1から撤退するのか?――社長会見を(ほぼ)完全収録 (1/5)

本田技研工業は12月5日、突然F1レース活動からの撤退を表明した。その決断の背景にあったものとは何なのか。福井威夫社長とモータースポーツ担当の大島裕志常務が登場した記者会見の詳細をお伝えする。

[堀内彰宏,Business Media 誠]

 本田技研工業(ホンダ)は12月5日、13時30分から本社で行った緊急会見でF1レース活動からの撤退を正式に表明した。モータースポーツ担当の大島裕志常務とともに会見に臨んだ福井威夫(ふくいたけお)社長は「自動車業界は新しい時代に入った」と強調。F1に投入していた人材や資金は、新商品や新技術の開発に振り向けると語った。

 以下、福井社長が冒頭に行った会見内容を紹介する。

ビジネス環境が急速に悪化

ah_hukui.jpg ホンダの福井威夫社長

 私どもホンダは、この度、2008年をもってF1レース活動から撤退することを決定いたしました。

 サブプライム問題に端を発した金融危機と、それらに伴う信用危機、各国に広がった実体経済の急速な後退により、ホンダを取り巻くビジネス環境は急速に悪化してきています。当面の世界経済は不透明さを増すばかりであり、回復にはしばらく時間がかかることが予想されます。

 ホンダはこの急激かつ大幅な市場環境の悪化に対し、迅速かつフレキシブルに対応をしてまいりましたが、将来への投資も含め、さらに経営資源の効率的な再配分が必要との認識から、F1活動からの撤退を決定いたしました。今後の「Honda Racing F1 Team(HRF1)」、英国でエンジンの供給を行ってきました「Honda Racing Development Ltd.(HRD)」については、チーム売却の可能性も含め従業員と協議に入ります。

 ホンダは第3期のF1活動として、2000年よりB・A・Rとの共同開発という新しい形での参戦をいたしました。その後のF1を取り巻く環境変化により、2006年よりホンダが100%出資するチームとしての運営に移行しました。最高峰のレースへの挑戦は、思いのほか厳しい道のりでしたが、多くの応援を頂き、2006年に貴重な1勝をあげることができました。頂いたご声援に十分お応えすることなく撤退の決定をすることは大変困難をともなう決断でございました。

 今後は、この激動の時代を生き抜き、レースで培われたチャレンジング・スピリットをもって、様々な新たな課題に引き続き挑戦し続けてまいります。

 これまで、ご声援をくださった多くのファンの皆様、そして活動を支えてくださいましたF1界の皆様に対し、心よりお礼申し上げます。

 なお、来年鈴鹿サーキットでは、予定通りF1日本グランプリを開催をいたします。来シーズンに向けての改修工事も順調に進んでおります。

 大変ありがとうございました。

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