金融商品の運用で損した! 消費に影響するものは?

» 2008年12月05日 15時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 株価低迷の影響で「消費を控えている」という人も多いはずだが、実際のところ、株価と消費にはどのような関係があるのだろうか。金融商品の運用成績が好調だったとき、「何らかの消費を増やした」という人は41.7%に達していることが、日本総合研究所の調べで分かった。ただ金融商品を購入した理由は「資産を増やすため」(73.3%)が圧倒的に多かったにも関わらず、「運用成績が好調なときに消費を増やしている人が4割ほどいることは興味深い」(日本総合研究所)としている。

 何らかの消費を増やしたという人に、品目を尋ねたところ「外食」(29.7%)が最も多く、次いで「旅行(国内)」(29.4%)、「旅行(外国)」(17.4%)、「洋服」(14.4%)、「家庭でとる食品」(13.9%)だった。また具体的な商品名を挙げてもらったところ、「北海道旅行」「焼肉」「高級レストラン」「ヨーロッパ旅行」「各種プレミアムビール」が上位にランクイン。

運用成績が好調だったとき、実際に消費を増やしたもの(出典:日本総合研究所)

 逆に運用成績が悪かったときには、「消費を抑制・消費のレベルを下げたものはない」と答えた人は63.8%。「何らかの消費を抑制しようとした」(36.2%)という人に、品目を聞いたところ「外食」が断トツで52.4%、以下「旅行(国内)」(29.4%)、「家庭でとる食品」(28.4%)だった。運用成績が悪ければ「ぜいたくな消費だけではなく、日常の食生活にも一部影響を及ぼしているようだ」(日本総合研究所)

 具体的な商品名を挙げてもらったところ「ビール」「夜の飲食全般」「寿司」「焼肉」「米」など、食に関するものが目立った。

運用成績が悪かったとき、消費を抑制しようとしたもの(出典:日本総合研究所)

年末年始は外食を控え、家で食事

 この年末年始にかけて「消費を拡大しよう」という人は、どのようなものを考えているのだろうか。最も多かったのは「家庭でとる食事」で18.7%、以下「教育」(5.1%)、「異性・同性との交際費」(4.5%)、「趣味の学習」(3.3%)となった。逆に年末年始にかけて「消費を縮小しよう」と思っているのは、「外食」(22.2%)が断トツ。このほか「身の回り用品(バッグ・時計など)」(6.6%)、「ギャンブル」(6.4%)、「宝飾品」(5.2%)、「家庭でとる食品」(4.3%)という結果に。

年末年始にかけて消費意欲が高いもの(出典:日本総合研究所)
年末年始にかけて消費意欲が低いもの(出典:日本総合研究所)

 日本総合研究所の過去の調査によると、日経平均株価が10%上昇すると、消費に与える影響は0.7%増えるというデータがある。しかし「金融商品を保有している人に限定すれば、株価上昇の影響がより高く反映されているようだ。また株価の動向が企業価値にどのような影響を与えるのか、といったことに注目が集まっているが、消費に対する直接的な影響も見過ごすことができないレベルに達している」(日本総合研究所)と分析している。

 インターネットによる調査で、金融商品を購入したことがある1010人が回答した。年収別で見ると、300万円未満が32.1%、300万円以上700万円未満が38.1%、700万円以上1000万円未満が15.0%、1000万円以上1500万円未満が5.0%、1500万円以上が1.7%。調査期間は10月29日から10月30日まで。

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