どうなる、こうなる首都圏の道路網――(2)首都高・中央環状線編近距離交通特集(1/3 ページ)

» 2008年11月28日 18時00分 公開
[青山祐輔,Business Media 誠]

 「どうなる、こうなる首都圏の道路網――(1)都心を囲む3つの環」では、首都圏を中心としてクモの巣状に伸びていく高速道路ネットワーク、「3環状9放射」プロジェクトの全体像についてお伝えした。

 3環状9放射の中でも、「3環状」に当たる「首都高速道路中央環状線」「東京外かく環状道路」「首都圏中央連絡自動車道」という首都圏を取り囲む3つの環は長らく整備が遅れていた。しかし今、開通に向けて動き出しているのだ。

 それらが具体的にいつ、どこが開通するのかを追っていく。今回はまず3つの環のうち最も都心に近い首都高速道路中央環状線(以下、中央環状線)を取り上げる。

 →どうなる、こうなる首都圏の道路網――(1)都心を囲む3つの環

 →どうなる、こうなる首都圏の道路網――(3)東京外かく環状道路編

 →どうなる、こうなる首都圏の道路網――(4)首都高・圏央道編

“中央”だけど“中心”ではない?

 中央環状線は3環状の中でも最も都心に近い位置にあり、完成時の総延長は約47キロメートルに及ぶ路線だ。通称「C2」とも呼ばれる。

 C2があるなら当然「C1」もあるわけで、ご存じの方には説明するまでもないが、それは「首都高速道路都心環状線」だ。延長が約14.8キロメートルの環状線で、首都高速道路の中心となる。

 日本の首都・東京の中心部を曲がりくねって走っているC1は、まるでレースコースのようでもある。実際にC1をサーキットに見立て、深夜に制限速度をオーバーして走る「ルーレット族」が社会問題になっており、警視庁も取り締まりを強化している

 前回も触れたが、首都高速道路に接続する「9放射」にすべて接続している路線がC1だけのため、ここがボトルネックとなって渋滞が発生しやすくなっている。それを解決する近道の1つが中央環状線なのだ。

3環状9放射完成予想図(出典:Google Map)
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