10年後に世界で通用する経営者、「育成していない」が62.1%

» 2008年11月21日 14時11分 公開
[Business Media 誠]

 企業にとって「後継者の育成」は重要な課題の1つ。しかし「10年後、世界と戦える経営者の育成をできているか?」の質問に、62.1%が「いいえ」と回答、自信を持っていない企業が約3分の2を占めていることが、日本能率協会の調べで分かった。また現状においても「将来の経営を託す人材の充実度」について、70.1%が「期待値を下回る」と回答した。

10年後に世界と戦える経営者を育成できているか? (出典:日本能率協会)

 10年後に世界と伍して戦える経営者の育成に「自信がある」と答えた企業には、6つのキーワードが浮かび上がった。「景気に左右されないトップの熱意」「求められる経営人材の明文化」「強い心、広い心の育成」「軸となるものの重要性」「多様な価値観との触れ合い」「研修の成果に対するシビアな評価尺度」としている。

 また10年後に最も重要になる教育対象(役職)を聞いたところ、「課長層」が47.6%で、部長層(25.4%)を上回った。従業員規模が大きくなるほど課長層への重要度が高まる傾向がうかがえた。

次世代経営者の育成が進んでいるのは「GE」と「トヨタ自動車」

 次世代経営者の育成が進んでいると思う企業を聞いたところ、外資系では「GE」がトップ、次いで「IBM」「マイクロソフト」「ヒューレット・パッカード」「ジョンソン・エンド・ジョンソン」。日本企業の1位は「トヨタ自動車」、以下「ソニー」「パナソニック」「日産自動車」「キヤノン」と続いた。

次世代経営者の育成が進んでいると思う外資系企業(左)、日本企業(右、出典:日本能率協会)

 自社に求められている経営者像が「明文化されて評価・昇進の際の基準になっている」と答えた企業は10.6%。「不文律はある」とした企業は37.3%、「ない(と思う)」は36.3%だった。従業員の規模別で見ると、規模が大きくなるにつれ明文化され活用されている割合は高くなるが、従業員1万人でも23.4%、1000人〜3000人未満の企業ではわずか3.0%だった。

 郵送による調査で、上場企業または有力企業の人事担当役員311社が回答した。従業員の数は1000人未満が38.3%、1000人〜3000人が21.5%、3000人〜5000人が11.6%、5000人〜1万人が13.5%、1万人以上が15.1%。調査時期は9月〜10月。

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