日本の大学スポーツを盛り上げるには、何が必要?

» 2008年11月20日 16時06分 公開
[Business Media 誠]

 ハーバード大学対エール大学、UCLA対USCなど、ライバル校との対戦に人気が集まる米国の大学。一方で日本の大学生または大学卒業生に「スポーツのライバル校はありますか?」と聞いたところ、「ある」と回答したのは34.9%。日本の大学スポーツにおいて、ライバル校の存在を認識しているのは少数派であることが、日本総合研究所の調べで分かった。

 また互いがライバル校として認め合っているカードは「早稲田対慶應義塾」や「立命館対同志社」などわずかで、対戦種目は「野球」がトップ、以下「ラグビー」「アメリカンフットボール」「駅伝」「サッカー」と続いた。

 ライバル校との対戦を積極的に企画することが、大学スポーツの観客増につながりますか? との質問には「思う」(29.5%)と「まあそう思う」(48.8%)を合わせると78.3%。特にライバル校が「ある」と回答している人は、観客増につながると「思う」人の割合が高いことも明らかになった。「日本の大学スポーツで盛り上がっている試合は早慶戦など、限られたカードにとどまっている。現状を打破すことができれば、大学スポーツは盛り上がるだろう」(日本総合研究所)

 インターネットによる調査で、全国の現役4年制大学生・大学院または4年生大学・大学院の卒業生1002人が回答した。調査期間は10月28日から10月30日まで。

在籍大学・出身大学別ライバル校(左)、ライバル校との対戦種目(右、出典:日本総合研究所)

大学スポーツを盛り上げる方法

 大学スポーツのエンターテインメント性を高めるためには、どのようにすればいいのだろうか。最も多かったのは「チアガールやマスコットによる華やかな応援」で62.4%、次いで「スタジアムの周りに食べ物の屋台を出店する」(50.0%)、「オーロラビジョンによる演出」(39.4%)だった。大学のマスコットとして望ましいキャラクターは「動物をモチーフにしたキャラ」(36.8%)がトップ、以下「強そうな動物・人物・架空の生き物」(35.7%)、「ゆるキャラ」(30.9%)の順に。また全体で3位だった「ゆるキャラ」は、女性の42.0%、20代の43.3%が支持。

大学スポーツのエンターテインメント性を高めるために、興味があるもの(出典:日本総合研究所)

 大学スポーツを観戦する際、おそろいのウェアを着ることについて「盛り上がると思う」(28.8%)、「まあ盛り上がると思う」(45.5%)の合計が74.3%。「大学スポーツの新たなファン層を獲得するためには、女性や若者(20〜30歳代)へのアプローチは欠かせない。これらの層は『ファッション』や『ゆるキャラ』に対する関心が高い。また『おそろいのウェアを着て観戦』することに肯定的な人が多いので、『今の若者=集団行動を好まない』と悲観的になる必要はなさそう」(日本総合研究所)としている。

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