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» 2008年11月19日 14時55分 UPDATE

Webビジネス小説「中村誠32歳・これがメーカー社員の生きる道」:第13話 プレゼンテーションで注意すべきこととは? (2/4)

[眞木和俊,Business Media 誠]

 落ち着いて大きな声でゆっくりと話すとか、スライドでは図表やグラフを使うとか……、今までにいろいろと師匠が教えてくださったことには注意しますけど。もしかして、もっと根本的なことですか?

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星野 そう、もし中村さんが小石川社長の立場だったら、皆さんの発表に何を期待しますか?

 それは「この新商品は売れるのか?」とか「本当に儲かる商品なのか?」といった成果が知りたいんじゃないかと思います。それと「僕たちがプロジェクトを通じて成長したのか?」ということにも興味があるんじゃないでしょうか。確かキックオフの時に、そんなお話をしておられましたから。

星野 キックオフの時の社長の期待表明をよく覚えていましたね。だとしたら、中村さんが話すべきことは、ずばり「小石川社長の聞きたいこと」のはずですよ。

 そうか、プレゼンテーションでは「自分の話したいことを話す」のではなく、「相手の聞きたいことを話す」ことが大事なんですね。自分に話したいことがたくさんある中で、聞き手の主役である社長の聞きたいことを中心に発表すれば、制限時間内でも十分に結果を分かってもらえるはずですよね。

星野 その通りです。こうした報告会の場でよく見かけるのが、発表者が調べた内容を全部説明しようとして時間切れになってしまったり、プロジェクトの経過説明だけに終始して結論が不明確になったりするといったプレゼンです。発表者が好む内容だけを話しても、聞く側が関心を持つとは限りません。このように聞く気を失わせるプレゼンでは、参加者から時間のムダといわれてしまいます。

 でも主役の社長の期待に応えられても、他の役員や参加者の興味をすべてカバーするのは無理ですよ。もちろんプロジェクトにかける熱意なら誰にも負けないつもりですけど。師匠、何かうまいやり方はないんですか?

星野 そうですね。小石川社長を含め、中村さんの報告を初めて聞く方が大勢いるわけですから、プロジェクトの経緯を分かりやすく再構成する必要があります。こんなときは、まずストーリーボードを作って、報告内容の起承転結を考えてみましょう。

 星野は、例によってホワイトボードに図を書きながら説明し始めた(図)。

ay_makoto01.gif プレゼンテーションの前にはストーリーボードを作り、発表内容の構成を考える

星野 先ほど中村さんがおっしゃったように、今回の結論で重要な点は、新商品の市場性(=売れるか?)と収益性(=儲かるか?)ですから、それがどうやって実現するのかを簡潔にまとめておくとよいと思います。一部の役員が心配されていた、商品の安全性も説明しておきましょう。報告の最後には、自分たちが学んだことを感想として加えておいてはどうでしょうか。

 こうやって見ると、どこが足りないかとか重複しているかといった、内容のバランスが分かりやすいですね。そういえばプレゼンテーションのスライドショーって、まるで紙芝居みたいだし。

星野 だからストーリーボードって呼ぶんですよ。元々は、映画やCMを作る際のたたき台となる一連の絵のことをいうそうです。さあ、ここまできたら、後はしっかり発表内容を詰めてください。私も中村さんの発表には期待していますからね。

 うわあ、師匠にそう言われるのって相当なプレッシャーですよ(笑)

 口ではそう言いつつも、星野に頭の整理をしてもらったおかげか、誠はすっきりした気分で成果報告会に臨めそうな気がした。

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