秋祭りにはビールで乾杯!――ミュンヘン・オクトーバーフェスト松田雅央の時事日想・特別編(2/2 ページ)

» 2008年11月11日 05時00分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]
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オクトーバーフェスト

 ラガービールの本家、バイエルン州の州都ミュンヘンでは、毎年秋、世界的なビール祭り「オクトーバーフェスト」が開催される。

 ミュンヘン駅に程近い広場で開かれるこのオクトーバーフェストが始まったのは1810年10月のこと。バイエルン王国皇太子の婚礼が行われた際、この草原で競馬が行われ、翌年から祭りが催されるようになった。今では巨大な仮設遊園地とビールを飲むための巨大なテントが併設され、2週間で約600万人が訪れる。日本語ではよく「ビール祭り」と紹介されるが「オクトーバー=10月」「フェスト=祭り」の意味通り、どちらかと言えば「秋祭り」の方がふさわしいようだ。

昔のオクトーバーフェスト(左、出典:Bier-und Oktoberfestmuseum)、昔のウェイトレス(右、出典:Bier-und Oktoberfestmuseum)

 10棟ほど建てられるテントは、各々、優に体育館一個分の大きさがある。テントによっては1万席以上あるそうだが、午後4時を過ぎれば早々と満席になってしまうほどの人気だ。また、ほとんどの席に予約が入っているため空席を探すのは一苦労。

巨大なテントの正面入り口(左)、テントの中(右)

 客だけでなく従業員も民族衣装を着て雰囲気を盛り上げてくれる。オクトーバーフェストといえば巨大なビールジョッキを片手に、肩を組んで歌うイメージが定着しているが、実際もその通り。岩塩をまぶしたパン「プレッツェル」やソーセージをつまみに、酒豪は1リットルのジョッキを次々と空けてゆく。ちなみに、オクトーバーフェストで消費されるビールの量は600万リットルを超えるそうだ。

 ドイツにも世界不況の波がじわじわと押し寄せている。大手銀行が数十億ユーロの巨額救済を政府に求め、世界的な自動車メーカーが生産台数を大幅に減らすなど不況の暗雲はゆっくり広がっているが、そんな中でもリーズナブルな飲み物ビールは庶民の味方だ。

飲み疲れたら芝生で休憩
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