どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(最終回)成田新線・新交通編近距離交通特集(3/5 ページ)

» 2008年11月07日 18時12分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

【29】ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線の延伸

ゆりかもめ延伸計画の概要

 18号答申当時、新橋−有明が開業していた「ゆりかもめ」を勝ちどき駅まで延伸する計画。このうち「2015年までに建設に着手すべき」とされた有明−豊洲は2006年に開業した。残すは豊洲−勝どきである。

ゆりかもめ延伸計画の現状

ゆりかもめ豊洲駅。軌道の端は晴海通りに向かって曲がっている

 具体的な進ちょくはない。東京都港湾局の計画によると「豊洲から勝どき間は整備時期検討」となっている。ただし、いずれ延伸する可能性はあるようで、ゆりかもめの豊洲駅の先まで軌道が延び、交差点で左折する途中で切れている。これが勝どき方面へ延伸する“意志”の現れだ。ただし、このまま真っ直ぐに勝どきに向かうわけではない。

 東京都港湾局の臨海副都心有明北地区埋立事業によると、豊洲で左折する軌道は約800メートルの地点で晴海通りに沿って左折する。そのまま晴海埠頭(はるみふとう)を直進し、晴海三丁目に至る。ここで右折すれば勝どきへの最短経路だが、計画では晴海三丁目を直進する。そして晴海五丁目付近で右折。豊海町の倉庫街をさらに右折。メインストリートを直進して都営地下鉄大江戸線の勝どき駅に至る。その先については何も決まっていない。晴海見本市会場が現存していれば東京駅方面への接続もあったかもしれない。しかし、見本市会場がなくなった現在は可能性が低い。

 次に動きがあるとするならば、2016年の夏季オリンピック開催地に東京が選定された場合だ。東京都ではオリンピック開催の拠点のひとつとしてお台場や築地などの臨海地域を検討しており、そのアクセス路線としてゆりかもめの整備を検討する可能性がある。

青線が開業部分、赤線が延伸部分

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