企業にプラスまたはマイナスになる新聞記事が最も多かったのは?

» 2008年11月04日 12時15分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 新聞に掲載される記事は、商品やサービスを紹介するようなものであれば、広告の代わりの効果も見込める。新聞記事で取り上げてもらうためには、プレスリリースや発表会などで工夫することが大事だが、企業にとってプラスになる記事を最も書かれたのはどこなのだろうか。

 デスクワンの調査によると、2008年上半期(4月1日から9月30日まで)で、企業にとってプラスになる新聞記事(主要5紙)が最も多かったのは「トヨタ自動車」だった。半年間に掲載された“プラス記事”は1502件で掲載面積は6万8485平方センチメートル、そのスペースを新聞の広告料で換算すると13億8978万円分に相当した。商品・販売・生産の話題が多く掲載され、新日鉄との鋼板価格値上げ合意や乗用車の値上げなどが大きく取り上げられた。

 2位には「パナソニック(旧名:松下電器産業)」、3位には「ソニー」と電機メーカーが並んだ。パナソニックは1月に松下電器産業からの社名変更を発表して話題を集め、ソニーは新製品の発表が多かった。

プラス記事掲載ランキング

順位 企業名 換算値(円) 主な掲載内容
1 トヨタ自動車 13億8978万 プリウスなどの値上げ
2 パナソニック(旧名:松下電器産業) 9億5685万 白物家電発表や社名変更関連
3 ソニー 7億6958万 液晶テレビ「ブラビア」やデジタル一眼レフカメラの新商品など
4 日産自動車 6億1853万 NECと車載用リチウム電池合弁生産
5 ホンダ 5億7238万 新型燃料電池車の生産・リース販売開始
6 日本コカ・コーラ 5億4495万 北京五輪で2個の金メダルを獲得した水泳の北島康介選手
7 JR東日本 5億3463万 路線や駅を取り上げる大型コラムに登場
8 NTTドコモ 5億0608万 朝日新聞が「iモード」開発秘話を紹介
9 米マイクロソフト 4億4354万 米ヤフーへの買収提案、提携交渉再開
10 西武百貨店 4億0499万 堤清二氏が読売新聞に回顧録を連載

 逆に企業にマイナス効果を与える記事が最も多かったのは「米リーマン・ブラザーズ」。9月に史上最大の負債64兆円で経営破たんし、金融危機の発端となった。2位には4月にインサイダー事件で社員ら3人が逮捕された「野村證券」、4位には子会社で使用した中国製牛乳を使った4商品からメラミンが検出された「丸大食品」がランクインした。

 日経新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞の東京本社版に載った記事をプラス記事、ニュートラル記事、マイナス記事に分類し、それぞれの面積を算出、各紙・各面の広告料金で換算した。調査対象は主要企業約1000社で、期間は4月1日から9月30日まで。

マイナス記事掲載ランキング

順位 企業名 換算値(円) 主な掲載内容
1 米リーマン・ブラザーズ 7億0093万 9月に史上最大の負債64兆円で経営破たん
2 野村證券 6億2127万 4月にインサイダー事件で社員ら3人逮捕
3 JR西日本 3億0007万 4月に宝塚線事故3年の節目の記事
4 丸大食品 2億7350万 9月に子会社で使用した中国製牛乳を使った4商品からメラミンを検出
5 ライブドア 2億3676万 7月に元社長堀江被告、9月には元取締役宮内被告がそれぞれ2審で実刑判決
6 JR東日本 2億0160万 4月、変電所火災で中央線不通に、影響50万人
7 日本航空 1億8824万 8月、墜落事故23年で節目の記事多数
8 全日本空輸 1億8412万 9月、2007年5月に続く大規模なシステム障害で国内線が53便欠航し、影響5万人
9 田辺三菱製薬 1億3515万 薬害C型肝炎訴訟で薬害を発生させた責任を認めて、9月に全国原告団と和解
10 五洋建設 1億3038万 4月、入札情報を巡る文科省汚職で子会社顧問が贈賄側として逮捕され、家宅捜索

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