「ロスカット」「マージンコール」とは? 自分を守るための2つのポイント1-7.FXの基礎講座

» 2008年10月28日 12時00分 公開
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 ほとんどのFX取扱会社では、「ロスカット」や「マージンコール」と呼ばれている制度を取り入れている。大きな為替差損から私たちを守るセーフティネットとしての役割を果たしているが、各FX取扱会社によって、ロスカットやマージンコールになるタイミングは異なる。

 ここでは代表的な例を基に、この2つの仕組みについて説明していこう。

 →FXって、どうやって注文するの? (第6回)

1.全財産を失わないための「ロスカット」

 「ロスカット」とは、損失が膨らみすぎた場合に、FX取扱会社がすべての取引を強制的に終了させるもの。FX取扱会社によっては「マージンカット」などと呼ばれている。まったく連絡もなく突然、強制的に取引終了となることもあるので気をつけたい。ロスカットの制度はほとんどのFX取扱会社で採用されており、証拠金がある一定の割合を下回った場合にロスカット、つまり強制決済となる。

 FX取扱会社によってロスカットのルールが違うという点にも注意が必要だ。証拠金の20%程度に設定しているところが多いが、そのため、いざロスカットとなると、ほんのわずかな金額しか残らない。

 自分が選んだFX取扱会社はどんなロスカットのルールを設定しているかは、取引を開始する前に必ず確認しておきたいポイントだ。ルールは取引要項やFAQのコーナーなどに説明があり、また、自分の口座管理の画面でもロスカットになる金額を確認することができる。

2.大きな損失を知らせてくれる「マージンコール」

 ロスカットとなる前に損失を知らせてくれるのが「マージンコール」で、口座の損失が膨らんでいることをメールで教えてくれる。FX取扱会社によっては「アラーム」や「アラート」などとも呼ばれている。

 マージンコールは、FX取扱会社ごとに独自のルールが取り入れられている。口座に預けた金額や取引に必要な証拠金から、未決済の損失を引いた金額が、ある一定の割合を下回った場合にマージンコールが実行されるというルールを導入しているFX取扱会社が多い。

 このマージンコールの金額は、ロスカットと同様に、自分の口座管理の画面からも確認することができる。FX取扱会社の中には、このサービスがないところもある。

 「マージンコール」を受け取った場合は、損を覚悟で取引金額を減らすか、追加で証拠金を入金することになる。そのまま何もしない、という選択肢もあるが、相場が自分の望む方向に動いてくれない限り、ロスカットになってしまう可能性は高い。

 最近は、マージンコールの制度がなく、ロスカットルールのみを採用しているFX取扱会社も増えている。ロスカットやマージンコールは、投資家を守るためのセーフティネットだが、利用しないに越したことはない。そのためには、「いくら」取引するのかを管理することが最も重要である。取引金額を増やすときは、必ず口座管理画面でマージンコール金額とロスカット金額をチェックしたい。これはFXを無理なく楽しむためには、必ず押さえておきたいポイントである。

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