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» 2008年10月27日 17時07分 UPDATE

誠 Weekly Access Top10(2008年10月18日〜10月24日):日本の株式市場の下落率が大きい謎

サブプライムローン問題の被害はそれほど大きくないはずなのに、他国よりも株式市場の下落率が大きい日本。しかし、大幅に円高が進んでいることを考慮すると、実質的な下落率は他国より小さくなるようだ。

[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「第3のビールが“独り勝ち”、次は新旧争い?」。4カ月前の記事だが、第3のビールのシェアが発泡酒を超えたとの報道があったことから、改めて注目を集めたようだ。

 3位「どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(3)東京エリア編その2」、6位「どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(2)東京エリア編その1」は近距離交通特集の記事がランクイン。鉄道の未来予想図を描くこの連載は、あと2回残っているので楽しみにしていただきたい。

なぜか下落率が大きい日本の株式市場

 5位に入ったのは「「中2でApple株を買った」――投信王1位の東大生に運用の極意を聞いてきた」。10月の日本株式市場は、27日までに日経平均株価下落率ワースト20に入る暴落を6回も記録。27日の終値は、2003年4月28日に記録したバブル崩壊後の安値をついに下回った。ちなみに投信王夏の陣で1位となったもりたさんも、10月の成績はマイナス12.50%(24日時点、日経平均株価はマイナス32.07%)と苦戦している。

 もちろん株価が下がっているのは日本だけではないが、各国主要株価指数の動きを見ると日本の下落率が比較的大きいことが分かる。2007年末に比べると、10月24日時点で日経平均株価は50.03%下落しているのに対し、米国のダウ工業株30種平均は36.83%の下落、英国のFT100指数は39.86%の下落にとどまっている。米国や欧州ほどサブプライムローン問題の被害は小さいとされる日本だが、なぜ下落率が大きくなっているのだろうか。

国名 株価指数 2008年10月24日 2007年末 騰落率(%)
日本 日経平均株価 7649.08 15307.78 -50.03
中国(本土) 上海総合指数 1839.62 5261.56 -65.04
中国(香港) ハンセン指数 12618.38 27812.65 -54.63
韓国 韓国総合株価指数 938.75 1897.13 -50.52
ロシア RTS指数(ドル建て) 549.43 2290.51 -76.01
インド SENSEX指数 8701.07 20206.95 -56.94
豪州 ASX全普通株指数 3831.61 6421.00 -40.33
米国 ダウ工業株30種平均 8378.95 13264.82 -36.83
ブラジル ボベスパ指数 31481.55 63886.00 -50.72
英国 FT100指数 3883.36 6456.90 -39.86
ドイツ DAX指数 4295.67 8067.32 -46.75
フランス CAC40指数 3193.79 5614.08 -43.11

 その謎を解くには、為替相場の影響を考えてみるといいかもしれない。ある国の株式市場に外国人投資家が投資する際には、現地通貨に交換しなければならないことが多い。そのため、外国人投資家が多い株式市場の実力を計るには、株価指数の動きだけでなく為替相場の動きにも注目する必要がある。そこで、次の表では円ベースで計算した各国株式指数の騰落率を示してみた。

国名 通貨名 2008年10月24日(対円) 2007年末(対円) 通貨騰落率(対円、%) 株価指数騰落率(%、円ベース)
日本 -50.03
中国(本土) 中国元 13.7721 15.2917 -9.94 -68.51
中国(香港) 香港ドル 12.1579 14.3194 -15.09 -61.48
韓国 ウォン 0.0657 0.1193 -44.93 -72.75
ロシア 米ドル※ 94.28 111.69 -15.59 -79.75
インド ルピー 1.893933 2.8426 -33.37 -71.31
豪州 豪ドル 58.74 97.65 -39.85 -64.10
米国 米ドル 94.28 111.69 -15.59 -46.68
ブラジル レアル 40.778547 62.766 -35.03 -67.98
英国 ポンド 150.11 221.93 -32.36 -59.32
ドイツ ユーロ 118.99 162.9 -26.96 -61.11
フランス ユーロ 118.99 162.9 -26.96 -58.45
※ロシアのRTS指数は米ドル建て

 2007年末に比べて、円は各国通貨に対して15〜45%程度高くなっている。それを考慮して株式市場の騰落率を計算すると、日本の株式市場は他国ほど下落しているわけではないことが分かるだろう(深刻な状況であることは間違いないが)。

 しかし気になるのが為替を含めて計算し直しても、米国の下落率が主要国では最も小さいこと。金融不安の震源地であるはずなのに、なぜこれほどまでに強いのか。謎は深まるばかりだ。

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