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» 2008年10月22日 22時36分 UPDATE

40年前の“エスカレーターガール”に会ってきた――小田急百貨店

エレベーターガールならぬ“エスカレーターガール”が、小田急百貨店新宿店で40年ぶりに復活する。1本のエスカレーターにかける、小田急百貨店の並々ならぬ熱意のワケとは……。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 その昔、才色兼備な女性の職業として人気があったのが“デパガ”ことデパートガール。中でも一番の花形が、エレベーターに乗ってボタンを操作し、各階を案内する“エレベーターガール”だったはずだ。

 しかし40年前のデパートには、エレベーターガールどころか「エスカレーターガール」という職業の女性がいたという!※ 東京・新宿の小田急百貨店でエスカレーターガールが期間限定で復活すると聞いて、さっそく会いに行ってきた。

エスカレーターガールってどんな仕事?

ay_ele01.jpg 期間限定で復活する、小田急百貨店新宿店のエスカレーターガール

 かつて老舗デパートでは、エスカレーターの前に女性社員が立ち、お客を迎えていたのだそうだ。「小田急百貨店では、40年くらい前まで、エスカレーターガールがお客様をご案内していました。かつてエスカレーターガールはデパートの花形職種だったと聞いています」(小田急百貨店広報部)。

 40年前といえば昭和40年代(1960年代)。当時はエスカレーターに不慣れな人が多く、乗り降りにつまづくお客もいたという。エスカレーターガールの仕事は、お客が安全にエスカレーターに乗れるようにサポートしたり、館内の案内をしたり、手すりを掃除したり、というものだったそうだ。「エスカレーターガールは、エレベーターガールと同じ部署でした。新人はエスカレーターガールから始まってエレベーターガールも勤められるようになり、館内のさまざまなご案内ができるようになって初めて、受付の担当になれたんですよ」と語るのは、小田急百貨店でエスカレーターガールを勤めていた福元恵美子さん。

 当時と今とではデパートのお客のエスカレーターの乗り方が変わりましたか? と福元さんに尋ねると、「最近はエスカレーターの左側に立って、急いでいる人は右側を歩くのが一般的ですけれど、ああいう乗り方は以前はありませんでしたね。お客様はみなさん、周りを見回しながらゆっくりエスカレーターに乗っていらっしゃったように思います」と笑って答えていた。

ay_ele02.jpgay_ele03.jpg エスカレーターの開通記念式典には、40年前に小田急百貨店新宿店でエスカレーターガールをしていたOG5名が登場。平成のエスカレーターガールにたすきを渡した

リニューアルのターゲットは“働く女性”

 今回小田急百貨店でエスカレーターガールが復活したのは、1月から工事を行っていた新設のエスカレーターが開通した記念の企画だ。10月22日から26日までの5日間、本館(ミロード寄りのエリア)の4〜6階のエスカレーターの前に1人ずつ女性社員がエスカレーターガールとして立ち、接客を行うという。

 小田急百貨店新宿店では、2007年の秋から2009年9月までかけて大規模な改装を行っており、エスカレーターの新設もその一環だ。改装の大きな目的の1つは“働く女性”を顧客として獲得すること。具体的には、これまで点在していた20〜30代女性向けのショップを集め、明確に“働く女性”をターゲットとするエリアを作る。本館4階は、20〜30代女性をターゲットとしたエリアで、「ICB」「23区」「アンタイトル」「ニューヨーカー」などのブランドを配置。5階は30代後半のステイタスのある女性向けエリアとして「セオリーリュクス」「エポカ」など5ブランドを展開する。6階はインポート下着などを扱うエリアとし、今後はネイルサロンやリフレクソロジーサロンなどもオープン予定だ。

 この本館4階〜6階のミロード寄りエリアにはこれまで移動手段が階段しかなく、回遊性が悪いのが課題だった。「小田急百貨店は駅の真上にありアクセスは非常に良いが、店内の動線が課題だった。端から端までで200メートル、ゴルフ場のショートホールに匹敵する長さでありながら、縦の動線が2本しかなかった」(小田急百貨店新宿店店長の新見邦由氏)

 今回新設するエスカレーターは、3本目の動線となる。「(エスカレーターを新設した)ミロードとジョイントする本館4階から6階のエリアは、来年9月に向けてのリニューアルでも目玉となるゾーン。このエスカレーターで縦の動線を作り、回遊性を高める。(改装後は)新宿西口で働く女性が、必ず立ち寄ってくれるような百貨店になる」と、新見氏は意欲を見せた。

ay_ele04.jpgay_ele05.jpg 本館5階には30代後半の女性をターゲットとするブランドをそろえる

ay_ele06.jpgay_ele07.jpg 新宿駅西口の上に位置する小田急百貨店新宿店は、南口の上に位置する小田急ミロードとつながっており、南口と西口を結ぶ通路から中に入れるようになっているが、内部の回遊性が悪いのが課題だったという

※東京出身の記者にとっては「エスカレーターガール」という単語そのものが初耳だったが、編集部の関西出身者によれば、関西の一部デパートでは10年くらい前まで、エスカレーターガールがいたのだそうだ。


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