どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(3)東京エリア編その2近距離交通特集(2/4 ページ)

» 2008年10月17日 23時11分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

【18】東京12号線の建設及び延伸(2)

都営地下鉄大江戸線の延伸の概要

 都営地下鉄大江戸線の建設と延長に関する計画である。18号答申が出された2000年1月当時、大江戸線は西の光が丘−練馬間のみ開業していた。答申ではこの先、都庁前から都庁前までの環状部の建設を推進する提案があり、この部分は2000年12月に開業した。また、光が丘−大泉学園町への延伸では、2015年までに開業すべきと提示している。

都営地下鉄大江戸線の延伸の現状

営業成績の好調が報じられた大江戸線

 東京12号線については、18号答申の前に出されていた「運輸政策審議会答申第7号(1989年)」において、「鉄道空白地である大泉学園町から新座市方面の新設を検討すべき」と示された。これに呼応する形で埼玉県と新座市、清瀬市、所沢市が誘致活動を続けていた。1997年には練馬区、新座市、所沢市、清瀬市による「都市高速鉄道12号線延伸促進協議会」が発足している。この働きかけが実り、18号答申で具体的に時期が示された。また、「大江戸線延伸促進期成同盟」が練馬区長と沿線34町会などによって結成された。おおむね順調に進捗しているといえそうだ。

 「2015年までの整備着手が適当」とされた光が丘−大泉学園町については、地下鉄を通すための道路、補助230号線の整備と合わせて調査、用地買収が行われている。途中駅は土支田(どじた)地区、外環状道路の交差点付近に設置される。つまり、ようやく道路の整備が始まったばかりで、地下鉄についてはこれからという段階だ。今後は道路整備の進捗に合わせて、大江戸線の工事も延伸するだろう。

 ちなみに補助230号線は2004年の「区部における都市計画道路の整備方針」においても2015年までに優先的に整備されるべき路線に指定された。2015年、つまり7年後が完成目標だと考えても良さそうである。

青線は開業期間、赤線は延伸予定区間

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