株式市場、大暴落から回復する日はいつ?誠 Weekly Access Top10(2008年10月4日〜10月10日)

» 2008年10月14日 15時20分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「今、そこにある“日本版サブプライムローン”の危機(前編)」。当初の返済額は低いが、数年経つと金利が上がり、その分返済額が増える「ゆとりローン」。給料の上昇を見込んで利用した人たちが、返済額の上昇で苦しんでいるという記事。終身雇用が確立しており、毎年給料が上がり続けるという当時の“常識”が今も続いていたならば、問題にはならなかったということだ。自分の生活が将来どう変化するかは分からない、と改めて気付かされた人も多いだろう。

 4位「こうなる首都圏の鉄道網――(2)東京エリア編その1」、6位「どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(1)横浜エリア編」、7位「これぞ民営化効果!? 高速道路サービスエリア最新事情」の3本は先週から始まった近距離交通特集の記事。特集は2009年1月ごろまで続くので、これからも楽しみにしていただきたい。

暴落から回復するまでの時間は?

 先週は、株式市場や為替市場が大荒れだった。日経平均株価の記録は1949年から残っているが、その60年弱の歴史の中でも、下落率ワースト10に入るような暴落を2回(10月8日と10月10日)も記録したのだ

 各国の金融対策を受け、14日には大幅に反発したが、これから株式市場はどうなるのだろうか? 暴落は心理的な要素が強く、日本はサブプライムローン問題の被害が比較的軽いのですぐに回復軌道に戻るという意見がある一方、この暴落は金融システムの崩壊を示すものなので株安はまだ続くとみる向きもある。

 そこで過去の下落率ワースト10の暴落の後、株式市場が回復するまでどれだけ時間がかかったのか調べてみた。次の表は、終値ベースで暴落の前営業日終値をいつ超えたかをまとめたものだ。

日経平均株価が下落率ワースト10の暴落から回復した日

順位 年月日 終値(円) 前営業日終値(円) 下落率(%) 回復した日
1 1987年10月20日 21910.08 25746.56 -14.90 1988年3月17日
2 1953年3月5日 340.41 378.22 -10.00 1953年7月29日
3 2008年10月10日 8276.43 9157.49 -9.62 2008年10月14日
4 2008年10月8日 9203.32 10155.90 -9.38
5 1970年4月30日 2114.32 2315.43 -8.69 1971年3月12日
6 1971年8月16日 2530.48 2740.98 -7.68 1972年1月6日
7 2000年4月17日 19008.64 20434.68 -6.98
8 1949年12月14日 98.50 105.88 -6.97 1949年12月15日
9 1953年3月30日 318.96 341.99 -6.73 1953年4月16日
10 2001年9月12日 9610.10 10292.95 -6.63 2001年10月11日

 1949年12月14日(8位)の暴落はわずか1日で回復しており、2001年9月12日(10位)の米国同時多発テロでの暴落も1カ月で回復しているなど、すぐに立ち直っている例も多いことが分かる。

 いずれも1年以内に回復しているが、2000年4月17日(7位)は唯一の例外。前営業日終値の2万0434円68銭は、8年経った現在でも回復できていない。この暴落は、日経平均株価構成銘柄の大幅な入れ替えとITバブルの崩壊が重なって起こったものだ。

 ただ、今回は1週間に2度も暴落が発生するという過去にないパターン。14日の大反発で10日に下げた分は取り戻したが、8日の暴落前営業日終値1万0155円90銭にはまだ届いていない。ちなみに、米国ではダウ工業株30種平均の下落率ワースト10に1929年10月28日と10月29日が入っているが、その際は回復するまでに25年ほどかかっている。

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