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» 2008年10月14日 07時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想・特別編:“環境住宅+共同生活”型ライフスタイルへの憧れ――ゲロルズエッカー環境住宅地 (1/3)

環境にやさしい住宅作りと数十家族での共同生活とを両立させたゲロルズエッカー環境住宅地。建設から15年を経て、そのライフスタイルが改めて注目されている。環境意識の高まりに加えて、隣人同士が密なコミュニティーを築いていることが評価されているのだ。

[松田雅央,Business Media 誠]

 コンクリートとアスファルトに囲まれた都市生活に疲れ、ふと、自然豊かな環境で暮らしたいと思うことがある。心地良さを求めるだけでなく、もう一歩踏み込んで地球環境に負荷の少ないエコロジカルな生活ができれば、なおいいだろう。

 極端な話、自給自足の田舎暮らしを始められればいいのだが、仕事や生活があるから定年後でなければ無理だし、都市生活の魅力も捨てがたい。そんなぜいたくな願いをかなえてくれるのが「環境住宅」だ。

エコ技術の実験場

 ドイツで環境住宅が具体的な形となったのは、社会の環境意識が高まりをみせた1970〜1980年代のこと。環境住宅は建築家と建築主にとって挑戦的な試みで、実験的な要素が強いため試行錯誤の連続であった。

 例えば「リサイクルしやすい素材をアパートに利用したら、予想より遮音性が低く隣家の音がうるさくて困る」「古紙を利用した断熱材の劣化が早い」「省エネ型のセントラルヒーティングが機能しない」など、問題をひとつひとつ解決・改善しながら進化を続けてきた。

 1993年に完成したカールスルーエ市のゲロルズエッカー環境住宅地は、単一の環境住宅ではなく住宅地として造られた点で先駆的なものだ。弧を描くマンション形式の住宅、4列のドイツ長屋式住宅、催し物にも使える中央広場、住宅地のコミュニティーハウスを備え、約40世帯・120人が暮らしている。

ah_zu1.jpgah_1.jpg ゲロルズエッカー環境住宅地見取り図(左、(C)P.I.A.)、ドイツ長屋式住宅(右)

ah_2.jpgah_3.jpg 住宅地の中央にある“村の広場”(左)、コミュニティーハウスで遊ぶ子どもたち(右)

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