親との住む距離によって消費行動は違う? 

» 2008年10月09日 13時27分 公開
[Business Media 誠]

 同居はしていないが、経済的・精神的に支えあう「インビジブルファミリー」。親世帯にとっては健康面での不安が軽減でき、子世帯にとっては経済面での負担が少なくできるメリットがあるが、こうした家族形態の消費行動は新たなニーズを生み出しているのだろうか。

 「スーパーなどの日常的な買い物」「食料品・日用品のまとめ買い」は家族形態に関係なく、自分たちで負担していることが多いが、「外食費」「旅行・レジャー」「デパートなどでの買い物」について、近居の人は同居・遠居に比べ、親への負担が高めになっていることが、ヤフーバリューインサイトの調べで分かった。

 また子どもの「ランドセル」や「学習机」は親が負担する傾向が強いが、「ベビーカー」や「チャイルドシート」といった育児向け用品は自分たちで購入する人が目立った。特に同居や近居の人にはその傾向が強く、遠居の人はいずれの商品も「自分たちで負担する」との回答が多かった。

 インターネットによる調査で、12歳以下の子どもを持つ20〜59歳の既婚女性1200人(親世帯との居住距離が1〜2時間以内の近居が800人、2時間以上が200人、同居が200人)が回答した。調査期間は8月22日から8月25日まで。

(出典:ヤフーバリューインサイト)

余裕ができたお金は「預貯金」

 経済的に余裕がある人はどの程度いるのだろうか。「余裕ができるお金はほとんどない」と答えた人は4割強を占め、全体的に経済的余裕のなさがうかがえた。しかし親からの金銭的援助によって余裕ができたお金の使い道は「家族や子どものために預貯金」が多く、このほか「子どもの衣服」や「子どもを含めた外食」などが目立った。また1カ月あたりの預貯金額の平均は同居・遠居の3万8000円前後に対し、近居は3万2000円と6000円ほど低い。

(出典:ヤフーバリューインサイト)

 「子供の面倒を見てくれるため気持ちに余裕が持てる」や「何かあった時に助けてもらえる安心感がある」など、親が近くに住んでいる人ほど安心感を持っている傾向にあることがうかがえた。しかし近居の人に、親が近くに住んでいることで困ったことを聞いたところ「突然家に来る」「しょっちゅう呼ばれる」「頼まれごとが多い」「近すぎて頻繁に孫の顔を見せに行かないといけない」といった悩みが多かった。

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