バナナダイエットは本当に効果があるの?――「観察者バイアス」を考えるそれゆけ!カナモリさん(2/3 ページ)

» 2008年10月06日 12時04分 公開
[金森努,GLOBIS.JP]

9月29日 エコ心を動かすグラフィックの力 お詫びというか、言い訳というか……。

 9月初頭、「ペットボトルは時代遅れ? 飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題」と言う記事を書いた。「ペットボトル入りのミネラルウォーターは環境負荷が高いので、そろそろやめませんか」という提案だった。

 確かに、世の中的にはそう動いている。魔法瓶の大手、象印マホービンは「マイボトルを持とう」キャンペーンに注力している。

 「SIGGのアルミボトル」もいい。100年の歴史を誇り、スイスの自社工場で生産された製品は世界50カ国の国々に輸出されている。また、ドイツで最も権威ある環境保護専門誌からも栄誉ある賞を贈られたという。

 だがしかし、ここがまた、筆者の情けないところなのだが、そうは言ってもペットボトルは「カンタン」なのだ。

 いつでもどこでも買える。すぐ飲める。

 ちゃんと、ラベルをはがして、キャップを外して。(ちなみにキャップは取っておいて、ポリオワクチン募金に使う)。こうしてきちんと処理すると、不思議と良心の呵責(かしゃく)が低減される。エコロジーの3R(リデュース・リユース・ リサイクル)のリサイクルは実践しているわけだし……と。

 しかし、本当は分かっているのだ。リサイクル(Recycle)よりもリデュース(Reduce=削減)が一番環境負荷軽減効果が高いことを。そのようにアタマでは分かっているけれど、実践できない人を動かすのが、「グラフィックの力」ではないかと思う。

 今日、一番紹介したかったのが以下だ。

 まず、アタマに訴えかける、こんなコピーが目に飛び込んでくる。

<“Last year 16 million gallons of oil were consumed to make plastic water bottles.”(水を入れるプラスチックボトルのために、昨年1600万ガロンの石油が使われました)>

 そうだよなー、やっぱりリデュースが大事だよなー。と、アタマでは分かって、ペットボトルを買うのはやめようと思っても、果たして行動できるだろうか。もしかすると、また帰りにコンビニで買ってしまうかもしれない。

 では、コピーにこんなグラフィックが添えられていたらどうだろう。

 日本でもおなじみの、ポット型浄水器「ブリタ」の広告キャンペーンだ。このインパクトたるや、すさまじい。

 環境問題に貢献しようと思うと、実際には手間やコストがかかる。良いこととアタマでは分かっていても、なかなか行動に移せない。そんな人は筆者だけでなく、大勢いるのではないだろうか。時にはこんな、ホラーストーリーならぬ、ホラービジュアルもアリだと思う。

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