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» 2008年10月03日 11時00分 UPDATE

動画で見る、「お酢」が主成分の消火器の“消しっぷり” (1/2)

宮田工業が10月から販売する「キッチンアイ」は“お酢を主成分とする家庭用液体消火器”。消火液を口に入れても無害、使用後の後始末が簡単なだけでなく、天ぷら油やストーブの火災など、住宅に多い火災時に威力を発揮する。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]
ay_eye01.jpg 宮田工業「キッチンアイ」。自転車製造で培ったメタリック塗装で、ジュエリーカラーをテーマとする4色を展開する

 宮田工業は10月15日から、“お酢”を主成分とする家庭用消火器「キッチンアイ」を販売する。オープンプライスだが、店頭価格は8800円程度の見込み。

 キッチンアイの消火薬剤は中性の液状で、酢を主成分とし、植物からの抽出物や甘味料など、厚生労働省が食品への利用を認可している原材料だけを利用している。実際に消火液をなめてみたところ、鼻をツンとつく酸っぱいにおいをまず感じ、甘くて苦い味がした。

 従来の粉末消火器は使用後に粉が拡散し、部屋に立ちこめるとなかなかなくならない上、家具などに付着すると後処理が大変だった。キッチンアイの消化薬剤は無色透明な液体なので、噴射後も拭き取るだけで簡単に後処理ができる。

 家庭に置くことを考慮し、シャンパンゴールド、エメラルドグリーン、プラチナシルバー、ルビーレッドの4色展開。本体の重さは約2.2キログラム、高さは38センチメートルで、女性にも扱いやすいサイズだ。一般の消火器のような噴射ホースではなく、ノズル式なので、安全栓を抜いてレバーを握るだけで消火液を噴射できる。

ay_eye02.jpgay_eye03.jpg キッチンアイの消火液は無色透明で、少しトロッとしている(左)。使用時に人体への影響が極めて少ないのもポイント。液体タイプの消火器に使われることが多いアルカリ強化液と比較すると、アルカリ強化液はタンパク質や金属、ビタミンC(写真)に強く反応するのに対し、キッチンアイはほとんど反応しない(右)

ay_eye04.jpgay_eye05.jpg 消火器を使えば高い割合で初期消火に成功する(左)。従来の消火器とキッチンアイとの比較(右)

消火器が普及している家庭はわずか13%

 2007年版の消防白書によれば、日本における建物火災の件数のうち、約6割が住宅で4割は住宅以外の建物だ。しかし建物火災で亡くなった人の数の内訳を見ると、実に9割以上が住宅火災だという。住宅火災の発生件数は年間約1万7000件。2006年には1187人が住宅火災で亡くなっており、このうち半数以上の688人が高齢の被害者だ。

 住宅火災はなぜ犠牲者が多いのか? 理由は、一般家庭にはあまり消火器が普及していないためだ。全国には約4000万本の消火器があるが、このうち一般家庭に設置されている消火器は約640万本。全国に約5000万世帯ある一般家庭のうち、約13%しか普及していないとみられる。「一般家庭に消火器がある場合でも、集合住宅で部屋から遠いところに置かれていたり、家庭内にあっても部屋の目立たない場所に置かれるなどして、緊急事態が起きたときに対応が遅れることがあるのも問題だった。使いやすいだけでなく、部屋に置いても違和感がないようなデザインのよい消火器を開発すれば、住宅の消火器普及率が高まるのではと考えた」(宮田工業社長の尾下脩氏)

 住宅火災の出火原因としては、コンロとたばこが非常に多く、次いでたき火、ストーブとなる。つまり家庭で起こる火災の多くは、天ぷら油、ふとんなど繊維類、紙や木材、灯油が燃える火事であり、家庭用消火器にはこれらを消しやすいことが求められることになる。

 キッチンアイでは、炎の温度を下げ、油を鹸化する機能(天ぷら油火災に有効)や、炎を絶つ機能(灯油火災などに有効)を強化しており、特に家庭で起きる上記の火災に対して効果を発揮するという。

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