少子化で人口が減少しつつある日本。さまざまな場所で労働力が不足することが考えられるが、それを補う可能性があるのがロボットだ。CEATEC 2008ではビジネスデザイン研究所が企業の受付係や高齢者の介護役、遊び相手などになれるようなロボットをブースで展示している。
ブースの入り口で出迎えてくれたのは受付ロボットの「メカドロイド タイプC3」。やや細身の人型ロボットで、近づくとタッチパネルを差し出してくれる。
タッチパネルに自分の名前や訪問先を入力すると、相手に取り次いでくれるという仕組み。また、タッチパネル上にあるカメラで受付前の映像を取り込み、顔検出・顔認識機能を使うことで来訪者を“覚えておく”ことができる。そのため、顔を“覚えている”人であれば、再び訪れた時に「○○さん、お待ちしておりました」などとあいさつしてくれ、名前を入れる手続きも省略できる。
もちろん、単純に受付をするだけならタッチパネルがあれば十分で、人型ロボットの部分は必要ない。しかし、ロボットではあるが、手続きを終えると会釈してくれたり、表情を変えてくれたりと、“人の温かみ”を感じさせてくれるのだ。人件費カットのため、受付を無人にしている会社も多いが、このロボットがいれば少しは活気付くかもしれない。
顧客の要望に応じてカスタマイズするため、価格は場合によって異なるが、大体300万円程度だという。
ブース内に作られたスペースで遊んでいるのは恐竜型ロボットの「PLEO」。爆発的にヒットしたファービーを開発したケイラブ・チャン氏らが製作した。
勝手気ままに歩き回ったり、体をなでると反応してじゃれてきたりもする。赤外線センサーで物体の動きを感知できるので、目の前に葉っぱを差し出すと口にくわえることもできる。時間とともに成長し、接し方によって性格や行動が変化していく。
2月に開催された「東京インターナショナル・ギフト・ショ―春2008」ではグランプリを受賞。5万2500円と少々値は張るが、「30代から40代の大人に人気がある」(ビジネスデザイン研究所)という。
ブース奥にいたのは、会話型ロボットの「よりそいifbot」。人の言葉を認識して、会話できるのだ。
試しに筆者も「こんにちは」と話しかけてみると、なぜか「夕食の献立を選びましょうか?」と尋ねられる。続いて、「和食、洋食、中華のどれにしますか」と選択肢を出され、「和食」と答えると「さばの塩焼きはいかがですか」と勧められてしまった。
よりそいifbotは、一人暮らしの高齢者の話し相手となるよう開発されたロボット。完全に意思疎通できることはないが、ある程度はコミュニケーションが取れるので、寂しさをまぎらわす助けとはなるかもしれない。
「チューリップ」や「シャボン玉」などの歌を歌ってくれたり、なぞなぞを出してくれることもあるそうだ。価格は60万4800円。
顔認証機能や音声認識機能が向上してきたことで、少しずつではあるがロボットも人間に近い能力を示せるようになっている。鉄腕アトムやドラえもんの世界が現実になる日も、そう遠くないのかもしれない。
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