では、環境問題が成長機会を生むメカニズムは、どのように説明できるのだろうか。
さまざまな論点、捉え方が想定できるが、基本的な枠組みとしては、次のような捉え方――リスクと(新たな)社会ニーズという2軸による整理――が分かりやすいのではないかと筆者は考えている。
ただ、金融市場における議論などが活発化していく中では、ここに示したような枠組みのみではなく、収益・コストとの関係性、また、評判・ブランドとの関係性などといったより具体的な点についての議論、分析も求められてこよう。先に示した経済産業省の研究会においてもそうした議論がなされることと思われる。
既に、そうしたアプローチを試みている事例もみられるが、広く納得性、妥当性などを獲得し得るロジック、定量的な分析、実証などは今後の課題といえよう。実は三菱総研では、こうした観点で「新たな環境格付け」の構築を起点とした研究、検討を重ねているところである。こちらについては、別途の機会に紹介したい。
さて、次回以降は、「洞爺湖サミット」に関する特集を挟みつつ、具体的な企業の成長機会の姿、様々な分野における新たな(あるいは古くて新しい)環境関連ビジネスの動向などを紹介していきたい。
環境フロンティア事業推進グループリーダー(兼)環境・エネルギー研究本部主席研究員。
様々な企業における環境・CSR経営システム、事業戦略の構築、次世代“エコ”商品・サービス開発の支援などの業務を手がける一方、真に環境コンシャスな企業、環境問題を成長機会として捉え、生かしている企業の評価の手法、そしてこれらへのファイナンスの仕組みなどを開発中。
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