日本は18番目に公正な国――2008年腐敗認識指数

» 2008年09月25日 12時33分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 市民団体のトランスペアレンシー・インターナショナルは9月23日、ある国でどれだけ汚職などが横行しているかを調査した「2008年腐敗認識指数(CPI)」を発表した。

 CPIは、各国公的部門の腐敗レベルを測定したもので、さまざまな専門家やビジネス調査をもとに算定した。最も腐敗している状態を示す0から、最も公正な状態を意味する10までの範囲で採点している。

 調査対象となった180カ国の中で、9.3と最も高いスコアを記録したのはデンマーク、ニュージーランド、スウェーデンの3カ国。以下、シンガポール(9.2)、フィンランド(9.0)、スイス(9.0)が続いた。日本は7.3で18位、2007年の7.5(17位)から後退している。

 逆に最も低いスコアだったのはソマリアで1.0。以下、ミャンマー(1.3)、イラク(1.3)、ハイチ(1.4)が続いた。欧米諸国のスコアが高く、アフリカ諸国のスコアが低い傾向にある。

 2007年の調査と比較すると、アルバニア、キプロス、グルジア、モーリシャス、ナイジェリア、オマーン、カタール、韓国、トンガ、トルコなどではスコアが改善している。しかし、ブルガリア、ブルンジ、モルジブ、ノルウェー、英国などでは低下した。

腐敗を防止するメリット

 トランスペアレンシー・インターナショナルのCPI調査に協力しているパッサウ大学(ドイツ)のグラフ・ラムズドルフ教授は、「ある国がCPIを1ポイント改善すると、GDPの0.5%に相当する資本が流入し、平均収入を最大4%増加させるというデータがある」と腐敗を防止するメリットについてコメントしている。

2008年腐敗認識指数(赤色が濃くなるほど腐敗レベルが高い、出典:トランスペアレンシー・インターナショナル)

 ソマリアやイラクといった国の腐敗度が高いことからも分かるように、貧困や制度破綻と汚職の間には決定的な関連性があることが分かる。そしてもう1つ、先進国におけるスコアの低下は、先進国の間における監視メカニズムや、法執行面でのアプローチが万全に機能していないことを示している。

 トランスペアレンシー・インターナショナルでは、「世界規模で監視制度を強化し、法的枠組みを強固にし、規制の実効性を高めることが、腐敗のレベルを引き下げる。そして、これがすべての人々の社会参加を可能にし、より大きな開発成果をもたらし、阻害された人々の生活の質を改善することにつながるのである」としている。

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