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» 2008年09月24日 07時27分 UPDATE

キャスター・目黒陽子の「今、これが気になる」:なぜ人は行列が好きなの? 「H&M」で並んできました

売上高世界3位の衣料品店「H&M」の日本第1号店に行ってきました。しかし長蛇の列で、入店できたのは4時間後。気に入った服を試着しようとすると、また行列が……。お店がなくなるわけではないのに、なぜ私たちは並ぶのが好きなのでしょうか?

[目黒陽子,Business Media 誠]

著者プロフィール:目黒陽子

フリーアナウンサー(ライムライト所属)。大和証券SMBCを経て、資格ファイナンシャルプランナーを取得後、キャスターへ転向。NHK総合「お元気ですか日本列島」、「BSニュース」、日本テレビ系列「ウェークアップ!ぷらす」などを担当し、政治・経済など、情報を伝えることの大切さと難しさを学ぶ。同じくアナウンサーの滝川クリステルは従姉妹にあたる。ブログ:http://www.fpcaster.com/


 9月13日土曜日、東京の銀座7丁目から8丁目にかけての歩行者天国に、何事かと目を疑いたくなるような長蛇の列ができていました。行列は長すぎて1列には収まりきらず、うねうねと波打ちながら、4列で並ぶほどです。それを見た外国人観光客は、面白そうに写真を撮っていましたよ。

 ニンテンドーDSの発売前や人気のラーメン店など、行列を見かけることが多いのですが、なぜ日本人は並ぶことが好きなのでしょうか。

「H&M」の東京初出店で大行列

 欧米を中心に世界30カ国に約1600店を持つ「H&M」(本社スウェーデン)が13日、銀座にオープンしました。店頭に並ぶ商品を毎日入れ替えるのが特徴。「ユニクロ」や「GAP」のようにお手ごろの価格で買えるため、女性を中心に人気を集めているようです。

 高級ファッション誌『VOGUE NIPPON』(2008年10月号)でもH&Mの特集を組んでいて、海外に住むオシャレな人の普段着として紹介されていました。しかし私が驚いたのは、お店に入るまでの長蛇の列。ここはディズニーランド? はたまた避難訓練? まだ日差しも強い9月にも関わらず、初日はなんと4時間待ち。オープン3日間で2万4000人が来店したそうです。そしてその列は、1週間経ってもまだ続いているそうですね。

yd_hm2.jpg H&Mのオープン初日(9月13日)、長蛇の列ができていました

 フランスから来た観光客は「オープンだからといって、ここまで並ぶのは理解できない」と言っていました。またオープン初日といっても、特典やセールはありません。それでも行列に並んでいる人たちは、ヨーロッパで人気があるお店に「入ってみたい」「買ってみたい」と、ワクワクした気持ちでひたすら待ち続けるのです。しかし長時間並んでいると、さすがにカップルたちの会話も少なくなり、友だち同士で来ている女の子たちは路上に座りだす有様でした。

試着室でも行列

 私も大勢の人たちと一緒に並んでいたら、お店の人が現れ、ミネラルウォーターの差し入れが始まりました。店員さんはひとりひとりにペットボトルを配っていましたが、H&Mは何本のミネラルウオーターを用意していたのでしょうね。

yd_hm3.jpg H&Mの店員さんが、ミネラルウオーターを配っていました

 H&Mはオープン初日に、多くのお客さんが行列をなすことを予想していたのでしょうか。それとも「日本人は並ぶのが好き」と、聞いていたのでしょうか。それにしてもこの長蛇の列を見ていると、つくづく国民性というものを考えさせられました。

 そしてやっとのことで入店できた私は、気に入った服があったので試着室へ向かうと、そこにも行列が……。ところが「H&Mでは30日以内であれば返却・交換が可能です。お家で試着をしてサイズが合わなければ、返却されても結構ですので、お持ち帰りください」というアナウンス。こういう“太っ腹”なところも、人気がある理由かもしれませんね。

yd_hm1.jpg 手ごろな価格で服が並んでいました

泊り込みで並ぶ人たち

 話は変わりますが、「真夏の大感謝祭」と銘打ち、4日間で約30万人を動員したサザンオールスターズのコンサートに行ってきました。しかしそこでも、当日券のチケットを買うために長蛇の列。しかも寝袋持参で並んでいる人たちが行列の3分1ほどいたので、彼らは前日から泊り込んでいたのでしょう。彼らに話を聞いたところ、並ぶのは楽しみで苦にはならないようです。

 きちんと並んでいる光景で思い出すのは、毎朝の駅のホーム。例えば田園都市線・長津田駅の場合、乗車位置に並んでいる人たちが電車に乗り込むと、隣の列の人たちは平行移動をして右へズレます。そして次の電車を待ちます。割り込む人はほとんどいないため、この光景を初めて見たときには、思わず感動してしまったほど(私の実家、大阪は同じ日本でも、若干この文化に違いがあるようです)。

 行列があればあるほど、人はワクワクして気になるもの。列の先には“きっといいことがある”と思い、私たちはお利口さんに並んでいるのでしょう。また行列は「耐え忍ぶ」「待つ」といった文化の表れで、日本人の楽しみの1つなのかもしれませんね。

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