インタビュー
» 2008年09月01日 13時40分 UPDATE

内藤忍インタビュー(2):お金を殖やすためには、何を知ることが大切? (2/2)

[土肥義則,Business Media 誠]
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投資の成果の約8割はアセットアロケーションで決まる

yd_naitou1.jpg マネックスユニバーシティの内藤忍氏

 内藤氏はアセットアロケーションの必要性を強調したが、投資の成果を決定する要素として3つが挙げられる。1つはどの株や債券に投資するかという「銘柄選択」、2つめは買い時や売り時のタイミングを測る「投資タイミング」、3つめが、どの金融商品にどれだけ資産を配分するかを決める「アセットアロケーション」だ。「銘柄選択」「投資タイミング」「アセットアロケーション」――この3つの中でどれが最も重視されるのだろうか。米国の資産運用会社バンガード社の調査によると、投資の成果の約8割はアセットアロケーションによって決まるということが分かった。

 「多くの個人投資家は『安く買えるタイミングはいつか?』『どの銘柄を買おうか?』ばかりを考えている。こうした作業は楽しいものだが、成果には結びつきにくい。むしろ長期運用をするのであればアセットアロケーションを決めることが大切」と話す。またアセットアロケーションを定めれば頻繁に売買する必要がなく、そのまま運用を継続できるというメリットがある。しかしずっと同じ資産配分であれば比率に歪みが出てくるので、「年に1回程度、リバランスを行えばいいだろう」

 リバランスとはアセットアロケーションに基づいて投資をした結果、資産配分の比率と実際の配分比率にギャップを修正するということ。そのためそのギャップを修正する作業を行わなければならない。例えば国内株式30%、外国株式40%、国内債券30%の比率で投資した場合、相場の変動によって国内株式が40%、外国株式20%、国内債券40%となったとする。そこで比率が減少した外国株式を20%買い、比率が増加した国内株式と国内債券を10%ずつ売り、比率を元に戻す。これは値上がりした国内株式と国内債券を売って利益を確定し、値下がりした外国株式を買い増しして平均買付単価を下げることにもつながる。

アセットアロケーションに正解はない

 「長期運用でアセットアロケーションが重要であることは分かった。しかし実際にはどのように資産を配分すればいいのか?」といった疑問を持つ人も多いだろう。結論から先に言えば「アセットアロケーションに正解はない。なぜならアセットアロケーションはリスクを抑えながらリターンを手にするのが目的。どこまでリスクを取るかは人によって違うからだ」という。

 とは言っても、初めて投資をしようという人に「自分だけのアセットアロケーションを作る」という作業は困難だろう。まずはほかの人の配分例を参考にして、自分なりにリスクを抑えながら運用を始めていくのがいいかもしれない。例えば内藤氏が勧める標準的なアセットアロケーションは以下の通りだ。

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 「この標準的なアセットアロケーションは、過去のデータから計算して1年間の最大損失が20%以内に収まるようにした。しかしこのアセットアロケーションも“正解”というわけではない。年齢やライフスタイル、収入、家族構成などによって資産配分は違ってくる。そのため『なぜ自分は資産運用をするのか?』ということを考えることが大切。家やクルマの購入、教育資金など人によって資産運用の目的は違ってくるだろう。そのため、まず目的に合った資産配分を考えなければならない」と指摘する。

 アセットアロケーションには答えがないので、1人1人がオーダーメイドで作成しなければならない。しかし「内藤氏が勧める資産配分をそのまま真似する」という人もいるだろう。内藤氏もそのことは否定しておらず、「資産運用は自己流で始める人がほとんど。それが『投資=日本株投資』という発想で、失敗に終わるケースが多い。スポーツや勉強と同じように資産運用でも効率的な方法を学ばずに、自分のやり方で運用すると成功する可能性は低い。なので誰かの真似からスタートするのは決して悪いことではない」という。

 次回はいくつかのアセットアロケーションを参考にしながら、長期運用を続いていく方法を見ていく。

 →なぜお金を殖やせないのか? 3つの失敗例と“正解”はない分散方法

お任せで分散投資ができる「バランス型投資信託」

 アセットアロケーションが重要だということは分かったが、そうはいっても「難しい」――そう感じる人は、バランス型の投資信託を検討してみるのはどうだろうか。バランス型投資信託とは株式や債券などさまざまな資産が組み入れられている商品。1つの投資信託を購入するだけで、分散投資ができるというメリットがある。ただバランス型投資信託の分散方法は、商品によって違いがあるので購入(1万円から可能)する前には、目論見書などで確認する必要がある

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