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» 2008年08月27日 12時24分 UPDATE

神尾寿の時事日想:ドコモ、パケット定額料金の2段階制を導入――携帯ビジネスへの影響は? (1/2)

au、ソフトバンクモバイルに続き、NTTドコモがついに2段階料金制のパケット定額サービスを導入する。ドコモの狙いと、2段階制導入による影響とは?

[神尾寿,Business Media 誠]

 8月25日、NTTドコモが2段階料金制のパケット定額サービス「パケ・ホーダイ ダブル」「Biz・ホーダイ ダブル」を導入すると発表した(参照記事)。2008年10月1日に開始する。詳しくはニュース記事に譲るが、2段階定額制はデータ通信料金割引サービスの一種で、毎月必ず課金される「月額最低料金」と、それ以上は課金されない「月額上限金額」を設定。毎月のデータ通信利用量が少ない月は維持費が安くなり、たくさんデータ通信をしたとしても月額上限金額以上は課金されないという定額制のメリットが得られるというサービスだ。すでにauとソフトバンクモバイルは導入済みであり、最大手のドコモが対応したことで携帯電話大手3キャリアに出そろったことになる。

 →ソフトバンク「パケット定額フル」を1029円からに値下げ →KDDI、1万2500パケットまで1050円の「ダブル定額ライト」

 パケット料金定額制というとヘビーユーザー向けのサービスという印象が強いが、今回ドコモも導入した「2段階化」は、携帯電話の利用がそこそこのミドルユーザーや、あまり使わないライトユーザーに対して定額制サービスの裾野を広げるのが狙いだ。例えば、携帯電話キャリアでもっとも早く2段階定額制を導入したauでは、全ユーザーの約51%(約1535万人)が定額制サービスを利用している。一方、定額制の2段階化で出遅れたドコモでは、現状の定額制利用率は約25%。利用者は1340万人にとどまる。

 ドコモがこれまで用意していたパケット料金定額制「パケ・ホーダイ」は月額で4095円と、他社の2段階定額制の上限金額である月額4410円よりも安かったのだが、それでも利用者はデータ通信のヘビーユーザーが中心で、ミドルユーザーやライトユーザーに敬遠されていた。今回、新たに用意された「パケ・ホーダイ ダブル」「Biz・ホーダイ ダブル」は、定額制の上限額は他社と同じ月額4410円に値上がりするが、利用が少ない時の最低金額を月額1029円からとすることで、他社に比べて見劣りしていた定額制の加入率を高くするのが狙いである。なお、データ通信を多く利用するヘビーユーザーからすると、「パケ・ホーダイ ダブル」は上限額が上がっているので、毎月315円/年間3780円の値上げになる。

 「パケ・ホーダイ ダブルの導入に伴ってパケ・ホーダイの新規申し込み受付は終了しますが、今年の12月31日まではご加入いただけます。また、新規申し込み受付終了後も、現行のパケ・ホーダイを廃止する予定はありません。(データ通信の)ご利用の多いお客様には、現在のパケ・ホーダイをそのままお使いいただければと考えています」(ドコモ広報部)

 とはいえ、パケ・ホーダイ ダブルに加入したミドルユーザーやライトユーザーが定額制の利用に慣れて上限額に達するのが常態化し、少しでも毎月の支払額が安いパケ・ホーダイを選びたいというニーズが出てくることも十分に考えられる。ドコモが顧客志向を新たな社是とするならば、パケ・ホーダイ ダブルの新設をしつつも、現行パケ・ホーダイも残し、ユーザーが自らの利用スタイルにあわせて選択できるようにした方がよかったのではないかと思う。

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