第1話 入社10年、突然のリーダー指名Webビジネス小説「中村誠32歳・これがメーカー社員の生きる道」(2/3 ページ)

» 2008年08月20日 08時00分 公開
[眞木和俊,Business Media 誠]

 いつも思うんだけれど、ビジネス書ってタイトル検索だけだと中身が難しくてよく分かんないんだよな。ええと、『成果の出る! CFT』?著者の“星野仙八”なんて名前、聞いたこと無いなあ。こっちの自己啓発本のコーナーには有名な人が書いたリーダーシップの本がいっぱいあるな。やっぱ、リーダーの基本を知らないとまずいよなぁ……。

 さんざん迷ったあげく、著名なビジネススクールで教える、中野平八郎先生が書いた本『リーダーシップ10か条』を買うことにした。

本屋の店員 1470円になります。

 とりあえずプチ自己投資だ。週末にでもじっくり読もうっと。

 その週末、買った本を3分の1ほど読み終わったところで、誠は深いため息をついた。

 なんだかこの本、学生時代のかったるい授業の教科書みたいでつまんないや。ここに出てくるリーダーになれる人って、みんなそんなに偉いのか? いきなり『リーダーシップ第1条、リーダーは品行方正であれ』だもんなぁ。世の中、そんな聖人君子ばっかりなら誰も苦労しないっつーの。大体、こんな大げさな理屈ばかり並べられても、実際に自分にはできっこないしさ。

 途中までリーダーシップの本を読んだ結果、心ならずも愚痴ってしまった誠だった。そこで気分転換にとPCの電源を入れ、試しに東山部長が話していた有名な経営者のインタビュー記事を検索してみた。

「断固たる決意(コミットメント)が人を動かす」

「実行こそすべて。結局のところ、実際に自分でやってみるしかない」

「重要なのはスピードそのものではなく、適切なタイミングで行うことだ」

「断固たる決意(コミットメント)が人を動かす」

 ……!?。

 さっきまで読んでいた本と比べ、余りにもシンプルで強い説得力に思わず目を見張ってしまった誠。

 さすがにウチの社長はここまで言わないだろうけど、やっぱりリーダーって責任重大なんだ。会社に入ってもう10年にもなるけど、こんな経験は初めてだな。

あなたが誠なら、どうする?

A : まずは自分がリーダーらしくならなくては。さっそく週明けから、リーダーの真似事に挑戦してみよう。

B : 突然キャラが変わったら、回りに引かれてしまいそうだ。今までのキャラクターのまま、特に変えないで行こう。


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