まずはやってみよう――第2回 外貨投資のいろいろ1-2.FXの基礎講座(1/2 ページ)

» 2008年08月13日 08時00分 公開
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 FXも、外貨投資の1つである。そこで今回は、代表的な外貨投資の商品を取り上げて、それぞれのメリット・デメリットについて説明することにより、外貨投資の全体像を紹介してみたい。

 →まずはやってみよう――第1回 そもそも為替取引って何?

外貨投資 3つの方法徹底比較

 円を外貨に両替して運用することにより、外国の高金利な利息収入、外貨の値上がりによる為替差益を手にすることができるのが、外貨投資である。

 投資の対象となる主な外貨は、7種類程度。最も流通量が多い米国のドルやヨーロッパの統一通貨ユーロ、英国のポンド、スイスのフランといった主要通貨を中心に、カナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドルなどの人気も高まっている。

 これらの外貨に投資できる商品としては、外貨預金(普通預金、定期預金)のほか、外貨MMFやFX(外国為替証拠金取引)がある。

 外貨投資商品はどれも為替の影響を受ける。また外貨に換えるときとそれを円に戻すときに為替手数料がかかる点でも共通している。しかし、商品性はそれぞれ異なり、かつ、同じ商品であっても金融機関や通貨によって手数料や金利が異なる。

 そこで、より詳しくそれぞれの商品性の違いを見ていこう。

外貨預金の特徴

 外貨預金は、仕組みは国内の預金と同じだが、大きく違うのは、為替レートの影響を受けるという点だ。ほかの外貨商品と比べると、為替手数料が比較的高く、受け取れる金利も比較的低いとされているが、外貨ベースで元本がしっかり戻ってくることや受け取れる金利が保証されているところが魅力となっている。外貨投資はやってみたいけれど、元本割れはできるだけ避けたいという慎重派の人に向く商品といえるだろう。

 また、そのまま外貨で引き出すこともできるので、実際に海外に行く機会の多い人にとっては、使い勝手が良いだろう。例えば、子どもをいずれヨーロッパの大学に進学させたいという人であれば、ユーロの定期預金を増やしていくというような使い方もある。

外貨MMFの特徴

 外貨MMFは、安全性の高い外国の債券で運用されている投資信託である。外貨預金より利回りがやや高く、為替手数料が外貨預金の半分だったり、途中で売却した場合の税金が非課税になるなど、外貨預金に比べるとメリットは多い。ただし、投資信託であるため、外貨ベースで元本保証がないという点が唯一のデメリットだ。

 多少のリスクはあっても、メリットの高いものを選びたいという実益派の人に向く商品だ。

FXの特徴

 FX(外国為替証拠金取引)の最大の特徴は、元手の数十倍の取引ができる商品だということ。ほかの商品と比べると、為替の変動による利益も、受け取れるスワップ金利も数十倍になることもある。その代わり損失も数十倍になる最もハイリスクハイリターンな商品とされている。

 例えば元手100万円で米ドルへ投資する場合、米ドルが1円上がると、利益は1万円だ(1ドル100円の場合)。しかしFXで元手100万円の10倍の取引をした場合、1万円の10倍である10万円の利益が得られることになる。時間的な余裕があり、為替の動きを見るのが楽しいというくらいの気持ちがある新しい物好きの人であれば、利益を手にできる可能性が高いかもしれない。

外貨預金、外貨MMF、FXの比較

外貨預金 外貨MMF FX(外国為替証拠金取引)
特徴 外貨建ての預金。
外貨ベースでは金利も元金も保証されている。
普通預金と定期預金がある。
安全性の高い外国の債券に投資する投資信託。
元本保証はない。
元手の数十倍の外貨取引ができる。
利益も損失も数十倍になる。
取扱金融機関 銀行 証券会社、一部の銀行など 一部の銀行、証券会社、商品先物業者など
最低投資金額 普通預金:1通貨
定期預金:10万円程度
0.01〜5000通貨程度 1万円〜10万円程度
金利(利回り) 普通預金:低い
定期預金:比較的低い
比較的高い 外貨預金の数十倍(レバレッジをかけた場合)
為替手数料(米ドル1ドルにつき1回の両替の手数料) 1円が主流 50銭が主流 5銭以下が主流
換金性 普通預金:いつでも換金可
定期預金:原則途中換金不可
いつでもペナルティなしで換金可。
円での受取りは2営業日目が主流。
いつでも換金できる。
取扱通貨 米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、スイスフラン、カナダドルなど 米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルなど 米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、スイスフランなどを始め、中国元、南アフリカランドなど
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