シャープが業務用LED照明事業に新規参入

» 2008年08月04日 20時37分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
シャープ健康・環境システム事業本部長の庵和孝氏

 8月4日、シャープは業務用LED照明事業に新規参入することを発表した。9月1日から新製品11機種を販売開始する。

 LED照明は一般に、長寿命で消費電力が少ないとされる(参照記事)。シャープでは、世界的に照明器具の省エネ化への取り組みが進んでいること、福田ビジョン(参照リンク)で2012年までにすべての白熱電球を省エネ電球に切り替える目標を設定したことなどから参入を決めた。

 健康・環境システム事業本部長の庵和孝氏は、「照明市場は2012年までに1兆円産業となり、そのうちLED照明の売上が3割を占めると予測している。まずは業務用LED照明からスタートして、次に一般向けも検討していきたい」と抱負を語った。

堺工場でも使用

 今回、発売するのはオフィス向けの「ストレート(長方形)型」「スクエア(正方形)型」5機種と、オフィスのエントランスなど向けの「ダウンライト」6機種の全11機種。


 LED照明は、従来の蛍光灯や白熱灯を用いた照明に比べると、明るさが足りないこととコストの高いことが課題だ。ストレート型の明るさも、40ワット蛍光灯2本と同等とやや物足りなさが残る。しかし、ダウンライト(150型)は、白熱電球150ワット相当の明るさで「ダウンライトLED照明として業界最高の明るさ」(シャープ)。記者会見の場では、ダウンライト(150型)が150ワットの白熱灯と一緒に展示されていたが、確かに同程度の明るさのように見えた

 価格はダウンライトが4万4100円〜5万8800円、ストレート型が9万4500円、スクエア型が19万9500円と、従来の照明器具よりも割高なのはシャープも認めるところ。だが、消費電力がストレート型やスクエア型では同等の明るさの蛍光灯に比べて25%減、ダウンライトでは同等の明るさの白熱灯に比べて80%減となるため、「初期費用は10年ほどでペイするだろう」(庵氏)と自信を持つ。

 同社では、2010年3月までに稼働する予定の堺工場でもLED照明を全面的に導入、10万台ほどを使用する見通しだ。

9月1日に販売開始するLED照明11機種(出典:シャープ)

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