クリックで建つ家とは!? でも、アフィリエイトじゃないんです大出裕之の「まちと住まいにまつわるコラム」(1/2 ページ)

» 2008年08月01日 12時00分 公開
[大出裕之,Business Media 誠]

「まちと住まいにまつわるコラム」とは?

「HOME'Sまちと住まいの研究室」編集長、大出裕之氏が“街とすまい”をテーマに執筆するコラム。気になるニュースや事柄、新商品や新サービスなどを取り上げ、住まいの専門家ならではの視点で語ります。

大出裕之(おおいでひろゆき):情報媒体や、PC・IT系メディアの編集を長年勤める。ついでにボランティアとして、東京商工会議所のプロジェクトXSHIBUYAを手伝い中。途中ネットベンチャーの起業などを経て、現在は住宅・不動産情報ポータルサイトHOME'Sにて、まちと住まいについてのWebメディアの運営や冊子の刊行などを行っている。「「HOME'Sまちと住まいの研究室」」編集長。


 インターネットはこれまで、思いもよらないことを可能にしてきた。既存の流通・購買のスキームを大きく変えただけでなく、人の意識そのものも、インターネット以前と以後とでは大きく変わってきた。

 例えば、本屋に行かなくても希少な本や洋書が変えるようになった。旅行するときは、ネットならではの特別な高級宿泊プランなども手に入る。不動産や住宅の世界も同じだ。今や、家だってオークションで入札できる時代なのはご存じだろう。そしてとうとう、Webで家を売買するだけではなく、クリックで家を建てることができる時代になったらしい。

「クリックで建てる家」とは?

 ミサワホームが7月18日からスタートした「ミサワ・ウェブダイレクト」(参照リンク)には、“クリックで建てる家”というキャッチコピーが踊っている(なんだかアフィリエイトサイトのようだ)。

 ウェブダイレクト、の名前から分かる通り、家をネット販売するという試みだ。価格は1324万0500円から。シミュレーション画面で条件を変えるたびにその場で価格が表示される明朗会計は、PCのWeb直販サイトでパーツを選ぶ感覚によく似ている。

 サイトの説明を読むと、対応している家屋のタイプは、現段階では「平屋」のみらしい。地積測量図や建設地住所などを送ると、ウェブサポートデスクで建物が敷地に入るかを確認してもらえるそうだし、ついでに言えば、建てる土地の手配もしてくれる。

ミサワ・ウェブダイレクト

 施工エリアは、ミサワホーム東京・ミサワホーム西関東・ミサワホーム東関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、茨城県に相当)に限定している。

 サイトのTITLEタグは「別荘・セカンドハウス」とワーディングしてある。平屋だけしか選ぶことができず、25坪、23坪、20坪の3タイプから選ぶことができるということも考え合わせてのことだろうけれど、今回販売される関東圏では東京や神奈川などの都市中心部でない限り、普通に住む家としても悪くないとは思うが、いかがだろうか。

 平屋は、贅沢な一戸建て住まいの醍醐味だと思う。天井裏を歩き回る家族もいないし(それ以外のものは歩き回るかもしれないが……)、階段の上り下りをしなくていい。すぐに庭に出ることができ、洗濯物、庭仕事、夕涼みなど思う存分味わうことができる。かつて多くの日本の家にあった豊かな住まいを、このご時世で贅沢に実現することができるのだ。

 1つ残念なのは、期間限定(2008年7月18日〜2009年3月31日)という点。多くの人が利用するようになれば、メーカーの考え方も変わるかもしれない。

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