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» 2008年07月31日 19時34分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:><→しんぶんし←>< (1/2)

通勤時間を使って脳の活性化に励んでいる人をよく見かける。DSで脳トレ? 携帯で数独? それもいいが、筆者のオススメは「回文トレーニング」。“しんぶんし”“たけやぶやけた”など、上から読んでも下から読んでも同じ発音になる回文を、自分で作ってみるのだ。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

 マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・運営、海外駐在を経て、1999年より某会計系のコンサルティングファームのマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。著書に「ナレッジ・ダイナミクス」(工業調査会)、「21世紀の医療経営」(薬事日報社)、「顧客視点の成長シナリオ」(ファーストプレス)など。現在、マーケティング・コンサルタントとしてコンサルティング本部に所属。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン」


 通勤通学のお伴といえばニンテンドーDSで脳トレか、携帯で数独でしょうか? 私には座右の書がある。日々持ち歩き、折に触れて開く。自分の“行き当たりばっ旅”な人生の行方に疲れ、“うふふ”な発想が枯渇したときに、すっとカバンから取り出す。そのワザを上達させたくて、持ち歩く。だが読んでも読んでも、クスクスするだけでスクスク成長しないのですが……。

yd_PICT0260.jpg 画像も回文?(クリックすると逆さになります)

 『軽い機敏な仔猫何匹いるか』は広告界の重鎮、土屋耕一氏の回文集である。タイトルがすべてを表している。「かるい きびんな こねこ なんびき いるか」――これが回文(上から読んでも下から読んでも同じ発音)だとは、まさか思わない。

 回文遊びの歴史は古く、実に鎌倉時代から歌人の作にあるそうだ。短歌、連歌、俳句、子どもの歌遊びにまで広がったが、回文集というたぐいの本は多くはない。著者の土屋氏は「君の瞳は1万ボルト」(資生堂)、「おれ、ゴリラ。おれ、景品」(明治製菓)など歴史に残るコピーを生み出してきた。だからこその、ことばマジック満載の本である。

 何度も読み返すと「さかさま 仔猫 まさか、さ」とか、いくら「読んでも ニャニ もでんよ」ぐらいの回文作句ができるようにはなる。“数はわずか”だが、私も回文作りに挑戦し、“疲労ご苦労、記録後披露”してみたい(前者は達人、後者はアマ作品、違いが分かるな)。

 回文作りは結構難しい。本書は絶版本なので、読者のために土屋氏の傑作をいくつか紹介したい。

逆さ化することのコツ

 1部と2部は短い回文。まず回文という“詩歌を解し”てほしい。

 機敏万引(キビンマンビキ)

 動物狂(アニマルマニア)

 新幹線沿線監視(シンカンセンエンセンカンシ)

 ダンディは遺伝だ(ダンデイ ハ イデンダ)

 誤診千回いかんせん死後(ゴシン センカイ イカンセン シゴ)

 プツリとすたれたストリップ(プツリト ス タレタ ストリツプ)

 (広告業界で)すでに地位は1、2です(スデニ チイハ イチ ニデス)

 (それならば、)世界一の地位生かせ(セカイ イチノ チイイカセ)

 短い回文、機敏やダンディのようなワードを“逆さ化”するのが作句作法のようだ。“ルーマニアのアニマール”や“震撼初期余震監視(しんかんしよき よしんかんし)”が作れると回文師匠の弟子に認定してもらえるでしょうか? いえいえ、3部は長い文章主体で、こんなお手軽にはいかない。

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