豊かな老後を送るための1億円、年金だけで足りますか?

» 2008年07月23日 08時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 厚生労働省の「2006年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が79.00歳、女性が85.81歳。多くの人が定年退職後も数十年の余生を送る中、気になってくるのが老後の生活資金だろう。

 生命保険文化センターの「生活保障に関わる調査(2007年度)」によると、夫婦2人でゆとりある老後生活を送るために必要なのは月額38.3万円。60歳で定年退職してから80歳までの20年で9192万円あれば、豊かな老後を送れることになる。

 老後の資金計画について楽天リサーチが調査したところ、51.1%が「考えてはいるが具体的に準備していない」、14.3%が「考えていない」と3分の2以上の人が老後の生活費を準備していないことが分かった。

老後の資金計画(出典:楽天リサーチ)

公的年金に頼りたいけど、期待はできない

 老後の生活費で公的年金をどれだけ計算に入れているのだろうか。「定年後の生活資金をどのようにまかなうか」を聞いたところ、「公的年金と、預貯金や個人年金で半々ぐらい」との回答が最も多く44.3%を占めた。ただ、年代が上がるにつれ「大半を公的年金(国民年金・厚生年金など)でまかなう」と答えた人が増えている。

定年後の生活資金(出典:楽天リサーチ)

 さらに、「あなたは自分が受け取る公的年金に期待していますか?」と質問したところ、50代以上では期待している(公的年金だけで生活できると期待している+ある程度の生活の助けになると期待している)と答えた人が多数派だったが、40代以下では期待しない(あまり期待していない+まったく期待していない)と答えた人が過半数を占めている。特に20代や30代には、公的年金が老後に必要とは感じていながらも、あまり期待はできないという矛盾した気持ちがあるようだ。

あなたは自分が受け取る公的年金に期待していますか?(出典:楽天リサーチ)

 公的年金に期待できないのなら、ほかの手段で生活資金を準備しなければならない。そこで、「公的年金以外で、老後資金のために行っていること」を尋ねると、最も多かったのは預貯金で59.3%、個人年金保険や生命保険が38.1%、株式投資が21.4%で続いた。また年代が高くなるほど、株式や投資信託、外貨預金といったリスク資産に投資する人が増えている。

 調査方法はインターネットで、対象は20代から60代の男女1000人(20代、30代、40代、50代、60代各200人、男女同数)。調査時期は6月23日から26日まで。

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