「環境に配慮したプリンタって、どこが違うんですか?」目黒陽子が聞く

複合機・プリンタ業界で初めて、エコプロダクツ大賞経済産業大臣賞を受賞した富士ゼロックス。環境に配慮したプリンタとは? プリンタ選びでエコを意識すべき理由とは? キャスター・目黒陽子氏が富士ゼロックスを訪問、話を聞いていく。

» 2008年07月22日 10時00分 公開
[PR/Business Media 誠]
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 複合機・プリンタ業界で初めて、エコプロダクツ大賞経済産業大臣賞を受賞した富士ゼロックス。賞の対象となった「DocuPrint C2250」とはどのようなプリンタなのか? 環境に配慮したプリンタとは? プリンタ選びでエコを意識すべき理由とは? キャスター・目黒陽子さんが富士ゼロックスを訪問、「エコとプリンタ」をテーマに、気になるポイントを聞いていきます。

富士ゼロックス プロダクトマーケティング部 天野慎吾氏(左)と、目黒陽子さん(右)

目黒 富士ゼロックスは「DocuPrint C2250」で、第4回エコプロダクツ大賞の経済産業大臣賞を受賞されました。エコプロダクツ大賞といえば、第1回目にトヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」、第3回目には松下電器産業の「ヒートポンプななめドラム洗濯乾燥機」が経済産業大臣賞を受賞しているなど、とても名誉ある賞なんですね。

天野 そうですね。今回は、富士ゼロックスの複合機とプリンタの同時受賞だったのですが、複合機・プリンタ業界としてエコプロダクツ大賞を受賞したのは初めてです。プリウスにしてもななめドラム洗濯乾燥機にしても、その業界を代表する製品ですので、我々も今回の受賞を非常にうれしく思っています。

DocuPrint C2250

DocuPrint C2250

 新開発のLEDプリントヘッドの採用により、最大1200×2400dpiの高精細出力に対応したオフィス用途向けのA3プリンタ。印刷速度はA4横でカラー/モノクロとも25枚/分の高速印刷に対応した。価格は19万8000円。

 省エネ対応のASIC搭載コントローラの導入により、スリープモード時の消費電力を1.5ワットに抑えるなどの省エネ設計が特徴だ。TEC値の低さから「国際エネルギースタープログラム」に適合。洞爺湖サミットの会場や国際メディアセンターなど5拠点でも使用された。

 標準給紙容量はトレイ560枚+手差しトレイ100枚で、両面印刷はオプションで対応可能となっている。接続インタフェースは10/100BASE-TおよびUSB 2.0に標準対応(パラレル接続はオプション)。ネットワーク接続はIPv6に対応している。本体サイズは640×665×399ミリ(幅×奥行き×高さ)、重量は63キロ(消耗品を含む)。

>>C2250の詳しい情報はこちら


大切なのは、実際に使用した場合の電力が少ないこと

富士ゼロックス プロダクトマーケティング部の天野慎吾氏。1986年富士ゼロックスに入社、システムやソリューションの営業を経て、マーケティング部門に異動。「C2250」の商品企画に携わる。現在はオフィスプリンタの国内プロダクトマーケティング領域をカバーしている。趣味はサッカー観戦

目黒 DocuPrint C2250は、主にどういった点が評価されて受賞したのでしょうか。

天野 まず1つに、TEC値(テック値)が低いということが挙げられると思います。TEC値とは、1週間の標準消費電力量のことで、実際の使用時に近い電力量の数値が分かります。メーカーとしては、自分たちが一番得意とする部分の数値を中心にプロモーションをしたいものですが、お客様の側の立場では、実際に使用した場合にどのくらい電力を使うかが大事です。そこでこのTEC値という新たな基準が、最近、注目されてきています。C2250はTEC値が1.63キロワット時(kWh)と、A3対応のカラープリンタとしては非常に低くなっています。

 それから、スリープモード時の消費電力も1.5ワット以下と、これも低い数値です。PCはほとんど1人に1台あるので、自分が席を離れるときは意識的に電源を切ることができますが、このクラスのネットワークプリンタは共有していますから、まめに電源を切るわけにはいかず、ほぼ1日中付けっぱなしです。そうするとスリープモード時の消費電力の少なさも重要になります。オフィスで複写機やプリンタを使っていただいているメーカーとしては、常時通電している機械の省エネ対策に積極的に取り組まないと、オフィス全体の省エネも進みません。

目黒 TEC値が低いというのは、トータルの消費電力が少ないということですね。

天野 そうです。省エネルギーセンターのWebサイトでは、複合機・プリンタ各社のTEC値が調べられますので、ぜひ見て比較していただきたいですね。当社のカラープリンタは成績がいいことがお分かりいただけると思います。先日の洞爺湖サミットで、サミット会場や、国際メディアセンターのプリンタとして採用していただいたのも(参照記事)、そういったところが評価されたのだと思います。

目黒 私たちがよく知っているのは、最大消費電力や待機時電力などですが、なぜTEC値が大切なのでしょうか?

天野 最大消費電力や待機時電力など、スペック表だけでは「実際に使った時にどうか」が分かりづらかったと思いますが、今はどの業界も消費者側に立った対応が求められています。業界全体で、「得意とする数値だけでなく、トータルで比較できる“TEC値”を訴求していこう」という動きが強まっています。

目黒 ではこれからは、私たちもTEC値を目にするようになってきますね。

天野 ええ、そうなってくると思います。

材料から見直し、トータルで環境に配慮した製品へ

天野 大賞を受賞した理由としては他に、植物由来成分を30重量%以上含むバイオマスプラスチックを使っていることも評価されたのだと思います。親会社である富士フイルムとの技術交流や、バイオマスプラスチックの供給元であるユニチカさんのご協力、技術陣のがんばりもありました。また、他の製品と同様、有害物質の鉛は使っていません。開発にあたって、省エネだけでなく、製品を構成しているさまざまな部品にも目を向け、材料から見直すことで、トータルで環境に配慮した製品になるべく努力した結果が認められたのだと思います。

目黒 富士ゼロックスは、省エネ大賞も長年、受賞されているようですね。

天野 2007年度は、A4カラープリンタの「DocuPrint C1100」が省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。省エネ大賞は複合機と合わせてですが、1999年度から9年連続で受賞しています。そういう意味では、省エネは当社が長年取り組み続けているテーマの1つといえます。

目黒 御社はかなり早い時期から企業姿勢としてエコにこだわっているということですね。

天野 そうですね。こういった賞は、急に狙って取れるものではありません。技術開発も含めて地道にやってきた成果だと思います。

環境に配慮しても性能や使い勝手は維持

目黒 TEC値を下げるような努力をしていくと、プリンタが立ち上がるまでの時間が増えるとか、支障は出てこないのでしょうか?

天野 トレードオフはどうしてもありますが、C2250では効率よくトナーを定着させる省エネ型の定着器を採用したり、新しく回路を開発するなどして、電源ON時は28秒といった素早い立ち上がりを実現し、省エネと生産性を両立させています。画質や安定性も優れていて、クルマで例えると、“高級車のエンジンを使った普及車”のような感じなんですよ。

目黒 環境に配慮したプリンタの場合、電力量を抑えるといったこと以外の部分でエコの工夫は、どういったものがあるのでしょうか?

天野 例えばトナーですね。富士ゼロックスがずっと取り組んできているものに、「EAトナー」というものがあります。元々の原理はアイロンプリントのようなもので、トナーを載せて、それをアイロンのようなもので紙に定着させるという仕組みですから、どうしても紙に載りきらないトナーが出てしまうんです。特に、トナーの粒子の形がデコボコしていると載りが悪くなる。そこで、粒子を極限まで小さくして、限りなく丸くしたい。そういうトナーの開発にずっと取り組んできています。

目黒 プリンタ本体の使い勝手はいかがでしょう?

天野 C2250は画質や耐久性だけでなく、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインになるよう配慮しています。例えば、引き出しのような用紙を入れるカセットがありますよね。あれを開けるときに、意外と力がいるなと思ったことはありませんか? 今回、C2250で初めてレバーにラッチ(掛けがね)を採用しました。ラッチがあると、カチャッと軽く引くだけで、女性でも楽に引き出しが開くようになっています。

目黒 資料を抱えながら操作することもありますから、それは便利ですね。

天野 また、プリントされた用紙が出てくる本体上部にはグレーの排出面を採用しました。従来のホワイトの排出面に比べ、出力紙とのコントラストが明確になったので、出力紙が排出されたことがひと目で分かります。共有で使うネットワークプリンタの場合、プリントした後に取りに行かず、出しっ放しになっていることがあるんですね。そこで、紙が出ていることがひと目で分かるようにしているんです。また、取り忘れを防止するという意味では、ICカードによるプリント認証も有効です。本来セキュリティ対策のためのソリューションですが、認証しないと出力されませんので、取り忘れることがありませんし、紙の節約にも役立つんですよ。

 私共は、「環境」「セキュリティ」「ユニバーサルデザイン」という3つのキーワードにこだわっています。今までのプリンタは、“速い、きれい、安い”がキーワードでした。でも今は、その3つは維持しながら、さらに環境、セキュリティ、ユニバーサルデザインという新たなポイントが重要になっています。これらに配慮することで、「富士ゼロックスのプリンタはいいね」といっていただけるのだと思います。

目黒 これからは実用的であるとともに、環境などにも注力しないとダメな時代になっていくわけですね。

天野 そういう姿勢でものづくりをしていかないと、なかなか認められないと思いますね。特に当社は官公庁や大手のお客様との取引も多く、そういうお客様は、製品を選ばれるときに、環境、セキュリティ、ユニバーサルデザインを要求されます。

低温でも定着するエコトナーを開発

目黒 今後、エコという意味で、どういったプリンタを目指していかれますか?

天野 当社は、昨年「EA-Eco(イーエーエコ)トナー」という、省エネタイプのトナーの開発に成功しました。従来の乳化重合トナー(EAトナー)よりも定着温度が20度以上低くても、ちゃんと紙にきれいに載るトナーで、これを使うと、定着時の消費電力を最大40%低減することができます。C2250には採用されていませんが、近い将来、商品に搭載していく予定です。このように、機械本体だけではなくて消耗品のほうも努力していきます。

目黒 その新トナーを使うことによって、TEC値も低くなるということですね。

天野 そうですね。トータルの熱量が少なくて済みますから、その分下がります。かといって、利便性や印刷の美しさが落ちるようではいけません。我々の業界だけではないですが、今までの便利だった機能は維持、またはもっと良くしながら、環境にも配慮していく必要があります。

 あとは、サイズにもこだわっていきたいですね。C2250はまだちょっと大きいんです。エコトナーを使えるようになると、アイロンの部分、専門用語ではフューザーというところですが、そこの温度も当然、下げることができますし、サイズを小さくすることも可能になります。すると、本体の小型化につながります。サイズは物流コストに影響しますし、置くスペースもコストや環境に影響すると思います。より小型で、より環境に配慮した製品を目指したいですね。

目黒 今後もエコにつながる製品がどんどん開発されると思うと、本当にうれしいです。今日は「TEC値」を覚えましたし、トナーの開発がエコにつながるなど、大変勉強になりました。ありがとうございました。



第4回エコプロダクツ大賞受賞の「DocuPrint C2250」


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目黒陽子が訊く:「環境に優しいプリンタって、どこが違うんですか?」
OA業界で初めて、エコプロダクツ大賞経済産業大臣賞を受賞した富士ゼロックス。環境に優しいプリンタとは? プリンタ選びでエコを意識すべき理由とは? キャスター・目黒陽子氏が富士ゼロックスを訪問、話を聞いていく。



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提供:富士ゼロックス株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:Business Media 誠 編集部/掲載内容有効期限:2008年9月30日