吉田 (規模が)大きくなれば注目されますし、その分だけブランドの観点や顧客配慮、社内の意思決定など制約も大きくなりますよね。現在、コマースはどれくらいの売上ですか?
向井 2007年9月期で53億3千万円ですので、月商にして約4億5000万円規模です。
吉田 いくつかECサイトをお持ちですよね。各ECサイトの内訳はいかがですか?
向井 16のショップを持っていますが、中でも総合ショップ「ONE☆FESTA」が一番大きく、売上の半分以上を占めています。
吉田 サイトの運営体制について教えてください。
向井 ONE☆FESTAは、委託している倉庫経由の出荷が中心に、他のサイトは仕入先から出荷する形が中心になっています。
吉田 物流は自分で作られたのですか?
向井 もともと私は三菱倉庫という会社にいましたので、物流に関する基本的な知識はありました。とはいえ、その頃はt(トン)単位の仕事しかやったことがなかったので、ずいぶん勝手は違いましたが。物流会社の選定は、上場会社という基準で選んでいましたが、やはりコストやベンチャービジネスであることなどを考えると大手企業では無理でした。今はカインズ商配さんと組んで配送しています。
吉田 商品やお客様はいかがでしょう?
向井 顧客はF1層が7割で、現在は1万品目以上扱っております。毎月2000点の新規アイテムを投入していますね。
吉田 それはすごいですね。最初からそれだけ品揃えをされたのですか?
向井 いえいえ、昔はダイエット関連の商品がダントツで多く、まるでダイエット専門店のような商品構成でした。実際、利益率の高い商材でもありましたので、明けても暮れても「ダイエット」「ダイエット」(笑)。ある時、「買う側も売る側も飽きが来ているのでは? と感じました。それで色々品揃えを増やして、今のONE☆FESTAのような品揃え※になったのです。
吉田 どんな商品が売れ筋ですか?
向井 ダイエット・美容関連では、昔はサプリメントなど口に入れる商品が多かったですね。今はシーズンにもよりますが、器具や着るものも大分増えてきています。家電やファッション関連など、その他の商品も動いて(売れて)います。
吉田 モバイル業界でも、メディアを持っている会社がEC事業をスタートする事例はこれまでも多数ありました。しかしその中でも御社は、突出して成功していると思います。ずばり、成功要因は何だと思われますか?
向井 早くスタートし、止めないで頑張ってやり続けたことですかね(笑)
吉田 それはOisixと一緒です(笑)。「とにかくあきらめずに粘る。そうしたら時代が来た」という感じですか?
向井 当時はメディアを持っていて、ECのノウハウがなかったので、どこか他社と組んでECを行うという選択肢も十分ありえたわけです。でも当時そんな発想を全く持たず、「自分たちは物を売るのだ」と疑問を持たずに突っ走ってきた結果ですね。
吉田 もう少し具体的に、売上成長の施策を教えてください。
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