女性比率8割! 電子マネー利用も活発な「nimoca」の今神尾寿の時事日想・特別編(1/2 ページ)

» 2008年07月02日 14時26分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]

 福岡の西日本鉄道が交通ICカード「nimoca (ニモカ)」のサービスを開始してから1カ月あまり。首都圏の「Suica」「PASMO」や関西の「ICOCA」「PiTaPa」に比べれば、その規模こそ小さいものの、nimocaは当初から電子マネーやポイント機能を充実させるなど、“街ぐるみ”の交通ICカードとしては注目の取り組みであった。

 nimocaはサービス開始後1カ月で、どのような動きを見せたのか。今日の時事日想は特別編として、西日本鉄道ICカード事業部課長の飯田浩之氏と、同ICカード事業部係長の杉本将隆氏に話を聞いていく。

西日本鉄道 ICカード事業部課長の飯田浩之氏(左)と同ICカード事業部係長の杉本将隆氏(右)

 →「nimoca」サービス詳細

 →「nimoca」サービス初日レポート

 →にしてつ「nimoca」スタート――写真で見る、福岡・きっぷ&電子マネー最新事情

nimocaでは、記名式が主流になっている

 nimocaは福岡の中心部・天神エリアを中心に、西日本鉄道の電車・バス沿線に広がる交通ICカードだ。首都圏のSuicaと同じ、日本鉄道サイバネティクス協議会の共通規格を用いたFeliCaカードであり、カード種別としては無記名式の「nimoca」、記名式の「スターnimoca」、クレジットカード一体型の「クレジットnimoca」の3種類を発行している。

 サービス開始から1カ月あまりで、nimoca全体の発行数は7万4000枚(6月17日時点)。さらに内訳をみると、購入時に利用者情報を登録する「スターnimoca」の発行数がずば抜けて多く、約5万枚を占める。個人情報を登録しない無記名式「nimoca」の発行数は約1万8000枚、クレジットカード一体型の「クレジットnimoca」は約4500枚だ。

 「最近の純増ペースを見ても、圧倒的に伸びているのは(記名式の)スターnimocaです。クレジットnimocaの発行も伸びていて、無記名式よりも記名式の方が多いというのが、nimocaの大きな特長になっています」(飯田氏)

 なぜ、nimocaは「記名式」が主流なのか。その鍵となったのが、nimoca独自のポイントプログラムだ。nimocaのポイントは、鉄道・バス利用時の乗車ポイントと、買い物をした時に貯まるポイントの2種類がある。前者はすべてのnimocaカードがポイント加算対象になるのだが、後者が適用されるのは「スターnimoca」と「クレジットnimoca」だけなのだ。しかも、nimocaの物販ポイントは、電子マネー利用時だけでなく、現金やクレジットカード購入時も、スターnimoca・クレジットnimocaを認証させることでポイント加算の対象になる。こうした“ポイントの魅力”が、記名式nimocaの普及を後押ししているのである。

 「(nimoca)会員の利用傾向を見ましても、利用頻度としては電車・バスの交通利用が多いのですが、利用金額だと電子マネーや現金ポイントカードとしての利用が(交通利用を)上回っている。サービス開始から1カ月ですが、福岡の地域ポイントとしてnimocaは確実に認知・普及しはじめています」(飯田氏)

nimocaの女性比率は、全体の8割!!

 さらにnimocaには、驚くべき数字がある。なんと、nimocaの女性比率は全体の8割強だというのだ。

 「これは(ポイント機能付きの)スターnimocaやクレジットnimocaが多いこととも連動していると思うのですが、現在のnimocaユーザーの8割強が女性で、スターnimoca利用者が多い。

 一方、(男女合わせた)年齢分布で見ますと、20代〜30代のユーザーが全体の65%を占めており、ここでもスターnimocaの比率が高いという傾向がでています」(飯田氏)

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