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» 2008年06月24日 20時24分 UPDATE

CO2排出量、10年前のレベルに――松下電器産業の公約

環境活動の実績をまとめた「環境データブック2008」を発行した松下電器産業。CO2排出量を3年間で30万トン削減する目標を掲げたが、その取り組みの1つに“メタゲジ”を導入した。聞き慣れない言葉だが、メタゲジとは何だろうか?

[土肥義則,Business Media 誠]

 松下電器産業は6月24日、2007年度の環境活動の実績をまとめた「環境データブック2008」を発表した。環境データブックは2004年度以降、毎年株主総会に合わせて発行しているもの。2008年度版は昨年10月に発表した「エコアイディア宣言(3つのエコアイディア)」など、1年間の環境活動を報告している。

 エコアイディア宣言の中で最も重視しているのは、CO2排出量を3年間で30万トン削減するという目標だ。松下グループの2007年度CO2排出量は、前年度比−1万トンの397万トン。2008年度は同−10万トンの387万トン、2009年度は同−19万トンの368万トンの目標を掲げている。そして2010年度には、2000年度の水準(約360万トン)まで引き下げることを公約した。

yd_matushita.jpg CO2排出量2007年度実績と今後の目標

メタゲジで隠れたロスを“見える化”

 30万トンのCO2を削減するため、松下電器産業は新たな試みを実施している。「これまであいまいにしてきた数字を明確にするという意味で、『メタゲジ』(メータとゲージの造語)を行っていく」(同)。メタゲジとは隠れたロスを“見える化”し、問題点に対策を打つというもの。具体的な流れとして、まず現場でのロスを見つけ出し、それを計測・分析する。その分析結果に基づき、対策を打ち出すことで、これまでのロスを見えるようにするという。松下電器産業では2008年度のメタゲジ率※を80%以上としている。

※メタゲジ率:全エネルギー使用量に占める計測可能なエネルギー使用量の割合(計測器設置は設備単位が基本)。

 環境本部の中村昭氏は「事業を行っていく中で、いろんな形でロスがある。例えば古い機械を使っていて、ムダな燃料を使っていたりする。これまで解決できなかったムダはたくさんあるので、しっかりと手を打ち、CO2を削減しながら事業を拡大させていきたい」と話した。

排出量取引については“静観”の構え

 発表会の席で福田ビジョンの排出量取引※について聞かれると、「(松下電器産業は)具体的な結論は出していない。現在は、できるだけ早くC02を削減することに集中したい」(中村昭氏)――政府がまとめた温暖化防止対策「『低炭素社会・日本』をめざして」(福田ビジョン)に対し、静観する姿勢を示した。

※排出量取引:まず全体のCO2排出量を抑制するために、国や企業などで排出する権利(量)を決めておく。そして権利を超えてCO2を排出するA企業と、権利を下回るB企業との間で権利を売買することで、全体のCO2排出量をコントロールする仕組み。
yd_nakamura.jpg 環境本部の中村昭氏

 2050年までにCO2を現状から60〜80%削減する方針などを示した福田ビジョン。排出量取引についてはルールを構築することが必要で、2008年の秋をめどに排出量取引を試験的に実施していくとしている。

 福田ビジョンの中で触れられている「排出量取引」に関してのスタンスはさまざまだ。例えば経済同友会は前向きに評価しているが、日本経団連は「徹底的な議論が必要」とけん制した。一方、電気事業連合会は「排出量取引に伴う強制的な排出枠の設定に強く反対」したほか、日本鉄鋼連盟も慎重な構えを示している。

 福田首相も指摘しているが、排出量取引で懸念されるのが“マネーゲーム”。排出枠に価値を付けて売買を行う排出量取引に、投機マネーが流れ込む危険性があるのだ。排出量取引に投機マネーが必要以上に流入すると、「排出枠以上の価格で売買する可能性がある」という指摘もあり、投機マネーを監視する国際ルールが欠かせないだろう。

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