世界のIPトラフィック、2012年には「ゼタバイト」級に

» 2008年06月18日 08時18分 公開
[ITmedia]

 米Cisco Systemsは6月16日、IP(インターネットプロトコル)ネットワーク上のトラフィック量に関して、Ciscoの分析と独立アナリストによる予測を基にした報告書「Visual Networking Index Forecast」を発表した。

 これによると、世界のIPトラフィックは2007〜2012年の間に年率46%で増加し、2012年には、年間のネットワーク回線需要は522エクサ(exa)バイト、すなわち0.5ゼタ(zetta)バイト以上に達する見通し。これは、2002年の約100倍に当たるという。

 1エクサバイトは10億ギガバイト、1ゼタバイトは1兆ギガバイトに相当する。Ciscoは「エクサバイトという単位は、数年前まで聞いたこともない言葉だった」とコメント。2012年にはゼタバイトが基準になり始めるため、容量を表す単位をまた見直す必要が出てくるだろうとしている。

 消費者市場では、オンラインビデオ通信、エンターテインメント、ソーシャルネットワーキングの登場で、IPネットワーク上のオンラインビデオの影響が強まっている。消費者トラフィックに占めるオンライン動画の比率は、2006年の12%から、2007年には22%に拡大。2012年には、動画のトラフィックだけで、2000年の米国のインターネット基幹トラフィックの400倍にも達する見通し。オンライン動画に加えてIPTVやP2Pの動画も合わせると、2012年には消費者トラフィックの90%近くを占める見通しだという。

 ビジネス用途のトラフィックは、2007〜2012年に年率35%で増加する見通し。小規模事業者へのブロードバンド普及や、企業による動画コミュニケーションの採用拡大などが、ビジネストラフィック増加の主要因だという。ビジネストラフィックを地域別にみると、特に新興国やアジア太平洋地域で急速に伸びる見通し。トラフィック量は北米が最も多く、2012年まで首位を維持。以下、アジア太平洋地域、西欧が続く。

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