「NFCケータイ」による非接触決済の実証実験を開始──ソフトバンクなど7社

» 2008年06月16日 14時42分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 ソフトバンクモバイル、マスターカードワールドワイド、ジャムアルト、オリエント、Samsung電子、日立製作所、日本ヒューレット・パッカードの7社は6月16日、NFC(短距離無線通信)技術を搭載した携帯電話(NFCケータイ)によるフィールド実証実験を千葉県浦安市にある複合商業施設で開始した。

 NFCは13.56MHz帯を使用する近距離無線通信の規格。NFCチップを搭載する機器同士を近づけ、最大424kbpsで双方向通信できる。日本のFeliCaや海外および国内の住民基本台帳カード、運転免許証などの公共系カードで使用するISO14443TypeA(Mifare)/ISO14443TypeBとも互換性があり、上記規格に対応するICチップへの読み書きに対応し、ハンドオーバー(機器間通信)も可能。2003年12月に国際規格として認定された。

 実証実験は関係者のみが参加して今後4カ月間行われるもので、ジェムアルトのNFC-USIMにマスターカードのPayPassPayPassアプリケーションを搭載し、NFC-USIMを差したNFCケータイで店舗などに設置される対応リーダー/ライターで決済を行う。今後4か月間に渡り、支払いの安全性、実運用上での課題検証、サービスプロバイダーによる効率性向上についての検証を行う。

 PayPassはMasterCardカードに追加できる少額決済機能。専用端末にPayPass機能付きカードやデバイスをかざすだけで決済が完了し、スピーディーな支払いが可能となる。2008年第1四半期現在、全世界で2800万枚以上のPayPassカードやデバイスが利用されており、PayPassが利用できる店舗は10万9000件に上るという。日本では、千葉県浦安市舞浜の複合型商業施設「イクスピアリ」や千葉市の「千葉マリンスタジアム」、伊藤忠エネクスの一部サービスステーション、都内の一部レストランなどで導入されている。

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