リストラ時には女性管理職比率が上がる――米調査

» 2008年06月14日 07時54分 公開
[ITmedia]

 企業のリストラ時には、女性管理職の比率が高まる――。6月12日、こんな研究結果が発表された。この研究は、米イリノイ大学のジョン・デンカー教授によるもの。同教授は、Fortune 500にも登場する、ある製造業者の雇用記録を30年近くにわたり調査してきたという。この会社では、1980年代半ばと1990年代初めに人員削減を行った。

 研究によると、その企業での女性管理職の比率は1967〜1993年平均で24%だったが、人員削減後の時期では、この比率は36%近くに達した。あるレベルの管理職については、女性が男性よりも25%高い比率で昇進したという。

 しかし、こうした男女差は1〜2年で縮まるという。デンカー教授はこの理由について、全員の昇格ペースが鈍化する人員削減の時期には昇進先となるポジションの数が減り、女性を男性よりも早く昇進させることがより目立つため「企業が男性管理職の反応を懸念するようになるからでは」とみている。

 女性の管理職への進出は進んでも、トップレベルの経営陣に進む女性は比較的少ない。研究では、最も報酬の高いレベルの経営陣については、女性が占める比率は平均11%、リストラ後の時期でも17%と、管理職全体での比率を下回る。デンカー教授は、女性にとって「まだこの種の昇進の壁は残る」と指摘している。

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