「交渉派」をさらに見て行くと、転職後の年収が「増えた」人は25%、「変わらない」が25%、「減った」が50%。一方、「非交渉派」でも「増えた」人は25%、「変わらない」が12%、「減った」が63%という結果が出てきた。
「交渉派」と「非交渉派」の年収増減の内訳 (Tech総研資料より)
交渉しない人は、交渉した人よりも転職後の収入が「減った」割合が13%多い。だが、交渉してもしなくても、転職で年収が「増えた」人が25%しかいない。実はTech総研によると、2004年から2006年12月に転職暦のあるエンジニア300人を対象にした調査では、交渉の有無にかかわらず、年収が「増えた」のは6割に上っていた。さらに20代から30代前半にかけては、ほぼ100%が転職で年収が「増えた」と回答している。
ところが今回の調査では20代前半で50%、20代後半で64%、30代前半でも62%が「減った」と回答している。ダウンした金額は平均27万円だという。
では、直接交渉に臨んだ人はどんな交渉をしたのだろう。次の2パターンある。
- 雑誌に書かれている給料との違いを指摘(Web・オープン系システム開発/28歳)
- 最初の提示金額より20万円少なく言われたため交渉。10万円アップした(運用、監視/34歳)・年収が下がるなら転職をやめると話した(サービスエンジニア/40歳)
- 前職から大きく落ちるのは嫌だと伝えた(研究、特許/30歳)
- 現在の収入額を保証してもらう約束をした(サービスエンジニア/29歳)
- あまりにもダウンすると生活に響くと粘った(品質管理・生産管理/35歳)
以上が、前職を基準に交渉したパターン。もう1つは、自分の絶対基準に交渉したパターンだ。
- 自分が満足する適正な評価に対する給与を求めた(機械・機構設計/35歳)
- 自身の評価を落としたくなかったため交渉した(コンサルタント/39歳)
- 今までの経歴や自分にできることを説明し、転職先でどういうことをやろうと思うかを説明して、査定してもらった(Web系システム開発/31歳)
年収交渉の有無にかかわらず、転職後の年収変化の満足度については「どちらともいえない」が24%、「やや不満である」が14%、「かなり不満である」が11%と、不満傾向が48.1%とある。不満度の高さがうかがえる。
転職後の収入満足度 (Tech総研資料より)
「結果がどうあれ、年収交渉を行うだけのスキルと自信さえあれば、少しは不満感が晴れるのかもしれない」(Tech総研)
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