サラリーマンの理想の小遣いは7万1600円、現実は4万6300円

» 2008年06月04日 19時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 なかなか給与が上昇しない一方で、相次ぐガソリンや生活必需品の値上げの影響は、サラリーマンの小遣いにどれくらいの影響を与えているのだろうか? 2008年のサラリーマンの1カ月の平均小遣いは「4万6300円」で昨年に比べ−2000円。4年ぶりにマイナスになったことが、GE Moneyの調べで分かった。

サラリーマンの平均小遣い額(出典:GE Money)

 ここ10年の小遣いの推移を見ると、1997年の6万6900円をピークに2004年の3万8300円まで減少傾向にあったが、その後、2007年まで3年連続で回復基調に戻った。今年、減少に転じた理由について「サブプライムローン問題に端を発した米国経済の減速、ガソリンや小麦など生活必需品の価格上昇など、サラリーマンをとり巻く環境に大きな変化があった。こうした変化は今年の小遣い額にも影響を与えた」(GE Money)と分析している。

 年代別で見ると、40代を除いてすべての年代で小遣いは減少。減少額は30代が最も大きく4800円、次いで20代の4400円、50代の2600円だった。小遣いが最も多い20代と最も低い30代の差は1万1000円で、年代間の小遣いの差は昨年の1万4000円と比べ縮まった。

 インターネットによる調査で、全国の男性サラリーマン500人(未婚47.2%、既婚52.8%)が回答した。調査期間は4月19日から4月20日まで。

サラリーマンの小遣いの推移(クリックして拡大、出典:GE Money)

理想の小遣いはいくら?

 理想の小遣いを聞いたところ、昨年と比べ−3200円の「7万1600円」。小遣いの理想と現実の差は、昨年の2万6000円と比べ700円縮まり2万5300円だった。年代別で見ると、理想の小遣い額が最も高いのは、20代の7万7800円で現実との差は2万6100円。既婚者層(5万7000円)と子どもがいる層(5万7800円)の理想額は、ほかと比べて低いことから「子どもの教育費など何かと物入りなお父さんたちからは、控えめで現実的な金銭感覚がうかがえた」(GE Money)

 お金のこと以外で、サラリーマンはどんなことに不安を感じているのだろうか。最も多かったのは「自分の将来設計」で47.4%、次いで「老後」(41.8%)「会社の将来」(27.0%)と、いずれも“将来”に関することで、年金や少子化などを反映しているようだ。20代と30代の約5割は「自分の将来設計」を心配しており、20代は「職場の人間関係」にも不安を感じている人が多かった。

お金のこと以外でどんなことに不安を感じているか? (出典:GE Money)

 社会問題として“格差”がよく取り上げられているが、サラリーマンの9割は何らかの格差を感じているという結果が出た。格差を実感することとしては「年収」が68.6%で断トツ、次いで「自由に使えるお金」が39.2%。年代別で見ると、20代は「交友関係」、30代は「服装や持ち物」、40代は「趣味」を他人と比べるときに、格差を感じているようだ。

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