子どもが生まれたら、必要なのは預金? それとも保険?キャスター・目黒陽子の「今、これが気になる」

» 2008年06月02日 08時00分 公開
[目黒陽子,Business Media 誠]

著者プロフィール:目黒陽子

フリーアナウンサー(ライムライト所属)。大和証券SMBCを経て、資格ファイナンシャルプランナーを取得後、キャスターへ転向。NHK総合「お元気ですか日本列島」、「BSニュース」、日本テレビ系列「ウェークアップ!ぷらす」などを担当し、政治・経済など、情報を伝えることの大切さと難しさを学ぶ。同じくアナウンサーの滝川クリステルは従姉妹にあたる。ブログ:http://www.fpcaster.com/


 最近、私の周囲でママになる人が増えてきました。出産してから4カ月が経ったママに聞くと、まず気になるのは「子どもの教育資金」だといいます。定期預金で蓄えるべきか、学資保険に入るべきか、それとも投資信託などで運用するべきか。低金利・株安・インフレのこの時代、どうやって子どもの教育費をやりくりしたらいいのでしょうか。

幼稚園から大学までの教育資金は1000万円以上

 実際に、子どもができたらどれくらい教育費がかかるか、ご存じでしたか? 子ども1人を幼稚園から大学まで、国公立に行かせると約1000万円、私立であれば倍の約2000万円になります。もしもお子さんが2人、3人なら……恐ろしい。

 子ども2人が私立の学校へ行けば、約4000万円が必要となります。教育資金は早い段階で貯めていくことが大切なのです。

学資保険は、最近人気がないの?

 子どもが生まれると迷わず“学資保険”にかける、という時代がありました。しかし最近は、学資保険の契約残高が減少傾向にあります。これは元本割れの商品が多くなっているからです。

 そもそも学資保険とは、どんな商品なのでしょうか? 毎月一定額を支払うことで、自分で設定した時期、例えば中学入学時や高校入学時にそれぞれ祝い金、大学入学時には満期保険料が出るといった保険です。もちろん保険なので最大のメリットは、契約者のお父さん(お母さん)が亡くなった場合、以後毎月の支払いが免除され、満期まで予定通り支払いを受け、子どもの教育費を捻出できるという点にあります(一括払いを除く)。

 では元本割れが発生しているというのは、どういう状態なのでしょうか? 「毎月の掛け金×保険満了時までの金額>契約満了時までに受け取ることができる総額」ということです。返戻率(戻ってくる割合)が100%を切っている場合、その学資保険は元本割れであるということになりますね。

 保険会社の運用によって、その成果は違います。とにかく貯蓄に重点を置きたい人は、各社の返戻率を確認する必要があります。例えばソニー生命の学資保険(参照リンク)は貯蓄性を重視しているので、現時点(5月29日)で返戻率は100%以上です。

 また保険会社の運用によって余剰金が出た場合、「配当金を出す」という会社もあります。一方で運用が悪く一切配当が出せず、元本割れという保険もあるので、しっかり比べておきましょう。

 元本割れになった場合でも保険機能はありますが、せっかく月々払い込んだ大切なお金が少なくなって戻ってきます。それで最近は敬遠されがちなんですね。

元本割れは絶対嫌! という人には

 一般的な学資保険料を支払って元本割れするくらいなら、銀行の定期積金をしている方が確実に元本は増えます。

 あとは、200万円以上まとまった資金があれば、マニュライフ生命の変額個人年金(参照リンク)なども元本保証商品として検討できます。東京スター銀行などでも今年から発売されています。今の株安時代、もしもこれから上がると思うのならこのタイプの変額なら期待もできるかもしれない!? もしも下がっても元本保証ですからね。(10年満期)

 もちろん運用がよければ、元本以上のお金を手にすることができます。変額個人年金は、一般的に手数料などが高いとされていますが、それでも運用成績から差し引かれるので、最終的に元本を下回っても、満期時には約束通り元本は保証してもらえます。もちろん保険ですから、契約中に契約者が亡くなった場合は、元本保証、預けた金額が保険金として戻ってきます。

 この株安時代ですから、これから株価が上がると思われる方なら、こういう変額タイプのものも期待できるかもしれませんね。しかも、もしも下がっても元本保証ですし。ただし、この商品は10年満期であること、またペイオフの対象ではありませんので、その点はしっかり考慮に入れるべきですね。

200万円を10年定期!? ちょっと待って

 低金利時代が長く続いています。今後、金利が上がるか、それとも下がるか、これは誰にも分かりません。ただ定期預金10年ものに預けていると、もし5年後の預金金利が5%に上がっていれば、あなたは損するのです。

 金利が上昇するかもしれない!? と思っていれば長期間の定期預金は止めた方がいいでしょうね。むしろ1年定期にして、様子を見ながら更新していくほうがいいでしょう。

 人によって生活スタイルや将来的に必要な資金は違ってきます。保険は保険、貯蓄は貯蓄、しっかり目的別に検討しておくことが必要ですよね。

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