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» 2008年05月23日 13時46分 UPDATE

神尾寿の時事日想・特別編:にしてつ「nimoca」スタート――写真で見る、福岡・きっぷ&電子マネー最新事情 (1/2)

にしてつグループの交通IC乗車券&電子マネー「nimoca」が5月18日にスタートした。ポイント制を導入するなど、首都圏のSuica/PASMOにもない仕掛けを持つ先進的なシステムだ。nimocaで福岡はどう変わるのか? フォトレポートをお送りする。

[神尾寿,Business Media 誠]

 西日本鉄道が5月18日、交通ICカード「nimoca」のサービスを開始した(参照記事)。nimocaは九州・福岡を中心に広がる交通IC/電子マネーのシステムであり、仕様としてJR東日本の「Suica」などと同じ日本鉄道サイバネティクス協議会の共通規格を用いている。また西鉄は当初から相互利用に熱心であり、すでにJR九州、福岡市交通局、JR東日本との相互利用化が決まっている。

 →サービス開始初日レポート(参照記事)

 →nimocaサービス詳細について(参照記事)

 →西日本鉄道、JR九州、福岡市交通局、JR東日本の相互利用について(参照記事)

 もう1つnimocaの特徴になっているのが、電子マネー分野だ。サービス開始時から約500店舗の電子マネー加盟店を用意し、ポイント制度にも注力している。記名式の「スターnimoca」と「クレジットnimoca」は、電車・バスの乗車ポイント以外に、電子マネー利用でも0.5%のポイントが付与される。交通を軸に、電子マネーでも利用促進を図るという姿勢なのだ。

ay_nimoca01.jpg 記名式の「スターnimoca」やクレジットカード一体型の「クレジットnimoca」では、ポイントも利用できる

 今回の時事日想は特別編として、交通・電子マネーの両方で拡大を図るnimocaの姿を紹介していきたい。

駅のシステムはSuicaと同じ。バスは順次拡大中

 まず交通分野を見てみよう。

 nimocaは全国的に拡がるサイバネ方式の交通ICであり、駅に導入されている機器も、首都圏のSuica/PASMOで見かけるものと同じだ。従来の磁気券と併用するため、高松の琴平電鉄「IruCa」のように(参照記事)IC専用改札機での導入でもない。筆者はサービス開始初日と2日目に実際に電車に乗ってきたが、天神駅ではnimocaを購入した人がさっそく利用している光景を見かけた。

yd_P5190005.jpgyd_P5190007.jpg 駅に導入されているnimoca対応改札機。首都圏のSuica/PASMO用と同じ構造だ

 一方、バスは後ろ乗り方式で、降車時に利用区間分を精算する仕組みになっている。東京の都バスのように定額ではないため、整理券要らずで運賃計算もしなくていいnimocaのメリットは大きい。

 西日本鉄道は約3000台のバス車両を保有しており、現在は1路線152台がnimoca対応だ。ユーザーのメリットを考えれば一斉対応が望ましかったところだが、「バスの数が3000台もあり、しかもnimoca対応の改修作業はバスの営業終了後の夜間しかできない。物理的な時間や人員の不足で、一斉対応は難しかった」(西日本鉄道広報)という。引き続きバスのnimoca対応を急ピッチで行い、来年には全車両で改修を終える予定だ。

yd_P5190015.jpgyd_P5190018.jpg nimoca対応のバスは現時点で152台。3000台すべての対応は来年の予定。nimoca対応バスにはステッカーが貼られている
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yd_P5190059.jpgyd_P5190064.jpg バスは後ろ乗りで距離区分別の精算方式。乗るときにnimocaをかざす乗車記録をし、降りる際にもう一度かざせば、自動精算と支払いが行われる(上2枚、左)nimocaのフェレットが描かれたラッピングバスも走る(右下)

駅売店からローソンまでnimoca電子マネーに対応

yd_P5180152.jpg nimoca電子マネー利用時には、レシートに利用額と残額が表示される。また、スターnimocaとクレジットnimocaでは、加算されたポイントもレシートで確認できる

 電子マネー加盟店を見てみよう。

 交通ICの基本である「駅ナカ」店舗は、nimocaでもしっかりと対応。キオスクから駅ビル内の飲食店、コンビニの「ローソン」まですべてnimoca電子マネーに対応していた。nimoca電子マネーでは、JR東日本メカトロニクス製の共用型リーダー/ライターが用いられているが、ここで利用できる電子マネーはnimocaのみ。他のFeliCa決済の導入は加盟店の判断に委ねられているが、今のところ複数方式での利用はないようだ。

 また、ユニークだったのはローソンで、ここではPOSレジ連携をしたローソン全店対応の共用型リーダー/ライターとは別に、nimoca電子マネー用のリーダー/ライターを設置。nimoca電子マネーの利用時には、店員による「金額の打ち直し」をしていた。これはやや非効率に見えるが、後で確認したところによると、将来的にはローソン側の共用リーダー/ライターに「nimoca電子マネーの機能が内包される形で開発が進んでいる。現在は過渡期なので、(リーダー/ライターの)2台置きをしている状況」(西日本鉄道 事業創造本部 ICカード開発室の杉本将隆氏)だという。

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yd_P5180146.jpgyd_P5180148.jpg nimocaに対応したローソン。今後、福岡を中心に対応エリアを拡大していく予定

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