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» 2008年05月23日 10時18分 UPDATE

それゆけ! カナモリさん:カテキン緑茶の伊藤園、“2倍戦略”は吉それとも凶? (1/3)

体脂肪燃焼という特徴でヒットした花王の「ヘルシア緑茶」。このほかにも各メーカーから健康飲料が販売されているが、中でもコレステロール対策をうたった伊藤園「カテキン緑茶」の1日2本戦略は、どこまで大人から支持されるだろうか?

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それゆけ! カナモリさんとは?

グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。「月産3万字!」を豪語し、街のニュースを独自の視点から語り続ける金森氏のブログから、編集部がお気に入りのコラムを選び、紹介していきます。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。

※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2008年3月19日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


3月19日、贅肉を削ぎ落とす?

 「Less is more」は建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉。無駄を削ぎ落としたものは美しい。さりとて、その削ぎ落とすという行為はなかなかに難しい。そんなことを考えさせてくれた、最近の商品を2つご紹介。

レーシング・カートに似た「ASUS Eee PC」

 米国で199ドルパソコンとして注目され、日本ではwindows XPを搭載し、4万9800円で発売された「ASUS Eee PC」。価格の安さで初期ロットは即完売。今でも店頭では品薄が続いているので、この記事を読んで気になった方、見かけたら即ゲットをお勧めする。

 と、いうわけで、最近このPCを持って出かけることが多い。結構、使えるのだ。これが。もちろん、出先でPCを本格的に使うシーンが想定されればフルスペックのノートPCを持って行くが、Eee PCは何とも気軽でいい。

yd_pc.jpg ASUS Eee PC

 バックアップは取っているとはいえ、メインマシンを持ち歩くのは結構気を遣う。故に、重いハードアタッシュケースに入れて持ち歩く。セキュリティーはかけてあるが、ハードディスク内のデータが気になるので、奪われる危険を考えると電車でうっかり居眠りもできない。

 Eee PCの気楽さは、何といっても、なーんにも積んでいないこと。ハードディスク(HDD)がない。わずか4GBの内蔵フラッシュメモリーと4GBのSDカードのみ。HDDがないので物理的な故障の心配が少ない。薄っぺらいカバンにぽんと放り込んで持ち歩ける。

 アプリケーションソフトも積んでいない。否、積めない。4GBの内蔵フラッシュメモリーは3GBがXPに占有されている。軽めのセキュリティーソフトしか入れられない。基本的にテキストエディタでの文書作成と、インターネット接続専用端末となるが、メールソフトもインストールせずに、Webメールを使う。利便性は下がるが、メールデータも本体に残っていない。万が一の盗難も怖くない。

 さらに言うと、Eee PCは重量的に軽いだけでなく、やはり動作もサクサクと軽い。CPUはプアなものだが、ソフトをほとんどインストールしていないので、引っかかるものが何もない。立ち上がりも早い。ストレスフリーなのだ。正に贅肉を削ぎ落とした「Less is more」な軽快さなのである。

 ストレスが全くないと言えばうそになる。サイズの小ささに連動して、キーボードはさすがにフルサイズではない。少し小さいが故に、ミスタイプも発生する。しかし、その分、集中力が高まる気もする。

 例えて言うなら、以前、試したら気に入って何度か乗った、レーシング・カートのようなのだ。90CCのエンジンがパイプ剥きだしのフレームに納められ、サスペンションもなく、ステアリングの遊びもほとんどない。ダイレクトに路面の感触が伝わってくる。決して高性能なわけではないが、無駄を削ぎ落とした故のおもしろさが感じられるのは共通したところである。

贅肉を削ぎ落とせない男の味方「ワコール・クロスウォーカー」

 さて、「Less is more」と贅肉を削ぎ落とした機能美を好むものの、自らの贅肉はなかなか削ぎ落とせず、美にはほど遠い状況に一縷の望みを与えてくれる新製品「クロスウォーカー」が登場した。「『スタイルサイエンス』は、はいて歩いているうちに体型を引き締めるという、ワコール人間科学研究所の研究開発によって生まれた全く新しい技術です」とある。

yd_pants.jpg ワコールのクロスウォーカー

 形状は太ももの部分が少し長めのスパッツのよう。その太もも部分に秘密がある。特殊な織りと縫製によって、ももが加圧され、自然と歩幅が広がり負荷のかかる歩き方になる。結果として、日常の歩行がエクササイズになるというものだ。週に5日着用、1日6000歩目標。決して高いハードルではない。

 この商品、女性用がずいぶん前から販売されており、かなりのヒットを記録している。ヒットしているということは、「効果あり」なのだ。男性用も、健保組合ルートで昨年末から販売されていた。実は筆者はワコールの知人に頼み込んで、密かに試していたのだ。

 「効果あり」。

 少々ウェイトオーバーだったので、食事にも気をつけるようになっているため、定量分析的に考えれば、食事の変更がクロスウォーカーの効果のバイアスとなっている。故に、正確性には欠けるかもしれないが、体組成計に乗って調べてみると、体重減少分以上に、筋肉量が増えている。恐らくこれは、クロスウォーカーの効果だと思って間違いないだろう。

 何より、歩き方が変化したことが体感できる。大股でぐいぐい歩いている感じがする。もともとタウンウォッチを兼ねた散歩は大好きなのだが、さらに、歩くのが気持ちよくなった。

 「男子たるもの、女性の下着メーカーの製品に頼ってまで」という論もあるかもしれないが、メタボ検診はもうすぐ始まってしまう。背に腹は代えられない。というか、その腹を何とかせねばならないのだ。溺れる者は藁をもつかむというが、この商品は藁どころか、間違いなく強力な救命ボートとなってくれる。自分で漕がねばならないボートであるのは間違いないが。

 「Less is more」な商品を2つ紹介したが、「持たざる豊かさ」を実践するには、やはり工夫が必要だということだろう。最小限のスペックを活かす使い方。Eee PCは新しいPCの使い方を考えるきっかけを与えてくれた。そして、日常のウォーキングの質を変え、また、日頃より少し長く歩くという行為を日常に組み込むきっかけをくれたクロスウォーカー。

 春は新しいことを始める季節でもある。もし、どちらかの商品が気になった方がいたら、是非、お試しあれ。

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