クルマから部屋が見える、カーナビ「Strada Fクラス」を発売

» 2008年05月14日 21時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 パナソニック オートモーティブシステムズ社は5月14日、カーナビゲーションシステム「Strada(ストラーダ)」の上位モデル「Fクラス」2機種を、6月13日から発売すると発表した。ストラーダは2003年7月に発売され、家庭で楽しむ映像や音楽を車内に持ち込む“From Home to Car”をコンセプトにしてきたが、今回のFクラスでは「クルマと家がつながるネットワークを提案していく」(市販ディビジョン事業部の木村真人氏)という。

 同社の調べによると、市販カーナビ市場(自動車メーカー製除く)は2007年度が163万3000台、2008年度は前年度比116%増の190万台を予想している。「市販カーナビ市場はまだまだ成長できる分野。ストラーダは累計で100万台を販売しており、今後は国内トップシェアを目指していく」(木村氏)との抱負を語った。

CN-HX1000D、価格35万4900円(左)、CN-HW1000D、価格35万4900円(右)

Fクラスの特徴は3つ

 Fクラスの特徴は大きく分けて3つある。1つめはBluetooth機能を持つ携帯電話と接続することで、パナソニック製の家電をFクラスから操作することができる。例えばネットワークカメラで撮影した部屋の状況(静止画)を見ることができ、カメラ※の向きや解像度もコントロールできる。このほかDVDレコーダー「DIGA(ディーガ)」を遠隔操作することによって、テレビ番組を予約できたり、自宅玄関ドアを施錠したり、照明やエアコンのオン/オフ操作などができる。カーナビで家とクルマのネットワーク化を実現したのは世界初という。

※カメラ:対応機種はBL-C131、BL-C111

 携帯電話を使って画像を見るシステムはすでに構築されているため、あまり目新しさはないかもしれない。ただ携帯電話の小さな画面よりも、大きな画面(7型ワイドモニター、115万画素)かつ高画質であるFクラスの方が見やすいだろう。

中期商品戦略(左)、2008年マーケティング戦略(右)

 2つめは画質と音質を向上させたことだ。画質面では薄型ハイビジョンデジタルテレビ「ビエラ」で培った高画質の技術を応用することで、地上デジタル放送やDVDを高画質で見れるようになった。Fクラスに搭載している「液晶AIモード」では「コントラストにメリハリがなく見えにくい映像であっても、画面のコントラストを自動調整する。このため車内が明るい昼間でも見やすい画面を実現した」(担当者)

 またFクラスの音質を向上させるため、レコーディングエンジニア(音響の調整や録音などを行う技術者)の内沼映二氏らによって設立された「MIXER'S LAB(ミキサーズ・ラボ)」が加わり、2つの音を実現。音質にこだわりたいという人には「音の匠 モード」で高音質を、車内での会話を優先する人には「いい音でスムーズトーク モード」にすると、会話をしながらいい音質で音楽を聴くことができる。

 3つめは地図やメニュー画面のデザインを一新したほか、基本機能を充実させた。地図画面は配色を変更することで、昨年モデルよりも視認性を向上させたほか、運転中でも瞬時に判断ができるように、交差点が近づけば3D表示から2D表示に切り替わるようにした。

ネットワークの拡大を狙う

 パナソニック オートモーティブシステムズ社はストラーダを中心にしてデジタルネットワークを構築させ、便利なカーライフを提供していく方針を示した。新商品のFクラスは家とクルマのネットワークを実現したが、今後は人や仕事などとのネットワーク化が考えられる。

 木村氏は「エレクトロニクス分野を総合的に展開しているパナソニックの強みを生かし、“いつでも、どこでも、誰とでも”を身近にするネットワークを実現させたい」と話した。

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