多くの企業が年功序列賃金を廃止し、成果主義の賃金制度を導入しているが、その結果、年収格差は最大(最も高い者と最も低い者の差)でどのくらいになるのだろうか。大卒同期入社の従業員を比べると、40歳以上になると年収に大きな差が出ることが、日本人事行政研究所の調べで分かった。
成果主義導入後に年収が「300万円以上」の開きがあったのは、50歳で5割(50.7%)を超えたほか、40歳でも3割(32.4%)に達した。30歳で年収300万円の差があったのは1割にも満たなかったことから、中堅クラス以上になってから年収格差が生まれているようだ。
ちなみに2000年の調査では、年収300万円以上の開きがあったのは50歳で45.3%、40歳で18.1%。いずれも2007年調査の方が上回っており、年収格差が広がっていることがうかがえる。
インターネットまたは取材による調査で、東証1部上場企業の185社が回答した。企業規模を見ると、従業員数1000人~2999人が最も多く39.8%、次いで999人以下が30.9%、平均年齢は39.4歳。調査時期は2007年10月。
ここ数年の企業の人件費総額はどのように変化しているのだろうか。5年前と比べ人件費総額が増加傾向にある企業は48.4%、一方で減少傾向にある企業は34.8%。人件費の総額が増えた理由は「雇用者の増加」が最も多く58.0%、次いで「賞与の増加」(30.7%)、「ベースアップ」(26.1%)という結果になった。団塊世代の退職者が増えているが、「退職金の支給額が増加」と回答したのはわずか2.3%。「事業内容の拡大や景気が回復基調にあるため、退職金の支給よりも雇用者増加によって人件費の総額が増えている」(日本人事行政研究所)
一方で人件費総額が減少した理由は「雇用者の減少」が圧倒的に多く84.4%、次いで「賞与の減少」が17.2%、「業務のアウトソーシング」が14.1%。「雇用調整が人件費総額の抑制策として大きな影響力を持っていることがうかがえた」(同)としている。
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