ドイツ製の“X”を見て、再びさすらいの旅が始まる郷好文の“うふふ”マーケティング(1/2 ページ)

» 2008年04月10日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

 マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・運営、海外駐在を経て、1999年よりビジネスブレイン太田昭和のマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。著書に「ナレッジ・ダイナミクス」(工業調査会)、「21世紀の医療経営」(薬事日報社)、「顧客視点の成長シナリオ」(ファーストプレス)など。現在、マーケティング・コンサルタントとしてコンサルティング本部に所属。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン」


 多くのビジネスパーソンは年に1度、同じ時期に共通した悩みを抱える。確定申告か(そんな身分になりたい)、花粉症か(ついになってしまった)――それは、1年お付き合いする手帳の選択だ。筆者は毎年10月から11月にかけて、文具売場をさすらい、あれこれ時間をかけて選ぶ。20年近く使ったシステム手帳から脱皮して2年目、2008年はスリムな“おまかせ型”の手帳を胸ポケットに入れている(参照記事)

 だがある日、システム手帳とは決別したはずの筆者の心を揺さぶる、2つの手帳がドイツから届いた。それは日本未発売のシステム手帳。なぜ筆者の心が揺さぶられたのかというと、システム手帳に“自分だけの自由”を求めてさすらう“3次元の悩み”が見えてきたからだ。

ゴムバンドという自由、「X17」

 そのドイツ製の手帳は、大きく分けて2つのタイプがある。1つは「X17」シリーズで、ゴムバンドでファイルするシステム手帳である。皮革タイプや合成素材のカバーに、さまざまなリフィル・ノートをゴムバンドでパッチンとはさみこむ方式。いずれもシステム手帳とは違い、リングを使わずに中のリフィルを留めているので、当然スリムだし、文字を書き込むときにリングが手に当たって書きにくいこともない。

ゴムバンドでファイルできるX17

 しっかりしたコート皮革のノートカバーの背部に、4つのゴムバンドを締める切り込みがあり、ラバーバンドをかけてノートをページの真ん中で留める。サンプルのノートは見開き1週間ダイアリーの半年分2冊、インデックス付き自由ノート(罫線なし)、そして2.5ミリメートル方眼だが、ほかにも12カ月ダイアリーや罫線入り、楽譜など合計11種類があり、組み合わせ自在だ。

上から見たX17

 ノートサイズはサンプルのA5以外にA6とA7があり、鞄に入れるか携帯するか、それも自由に選択できる。その組み合わせの特徴から「Book-by-Book-System」(1冊1冊組み合わせ)と呼ぶ。ゴムバンドはかなりしっかりしたもので、ノートがブラブラと揺れることはない。A5ノートを束ねたような形だが、実際に使うとなかなか繊細な造りで好感が持てる。

スリムな金属棒という自由、「X47」

 もう1つの専用パッケージに収まった「A6 Timer」は、X47シリーズの主力商品だ。リフィルのサイズは世に普及する6穴システム手帳の95×170ミリ(幅×高)に比べ、X47は98×145ミリ(幅×高)と、少しタテが短く幅はほぼ同じ。

X47シリーズの主力商品「A6 Timer」

 こちらもBook-by-Book-Systemで自分仕様のリフィル構成ができる。サンプルはスケジューラ2冊と方眼紙の3冊だが、最大4冊まで収納可能。注目はその“バインディングシステム”だ。システム手帳といえば「KRAUSE」のごついバインダー金具が真ん中に居座り、上下のレバーを押してガッチャンと開け、リフィルを入れ替える。だがX47では“スリムな金属棒”でノートを留めるのだ。

スリムな金属棒でノートを留めることができる

 ブック側の筒の棒をノート側の受け軸に挿入する。「こんな細い棒で大丈夫なのか?」と不安を感じたが、ブックだけを持ってブラブラさせてもびくともしない。「この細い棒、どこかで見たことがあるなあ」と思ったが、時計バンドを留めるバネ棒と同じで、手首の激しい動きでバンドは外れないだろう。この機構の採用で、バイブルサイズと比べて厚さ3分の2、重さ2分の1程度を達成した。

筆者所有のシステム手帳ファイロファックスは約90枚のリフィル+透明ポケット数枚(上)。X47は34P×3冊で約100枚(下)
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