2008年の世界PC出荷は11%増――ただし懸念材料も

» 2008年03月26日 08時50分 公開
[ITmedia]

 調査会社の米Gartnerは3月25日、2008年の世界PC出荷台数が、前年比10.9%増の2億9300万台となるとの見通しを発表した。引き続き好調なモバイルPCや新興国市場が出荷台数の伸びを支えるとする一方で、世界経済への逆風が強まれば、成長率は1けた台に落ち込む可能性があると警告している。

 PC市場は基本的には良い状態だが、米国経済の悪化や、北京五輪後に中国景気が減速する可能性、原油価格の高騰といった要因により、世界のPC出荷が今後、悪影響を受ける可能性を指摘している。

 PC市場の伸びを支える要因としては、モバイルPC、新興国市場、買い換え需要の3点を挙げる。モバイルPCについては、技術・デザインの改善や価格低下、モバイルアクセスの拡充で、価格に比して機能の充実した「手ごろな」端末の提供が増えることで、今後も出荷台数の勢いは増すとみている。新興国市場については、経済成長に伴い、企業や政府、教育機関だけでなく、消費者市場でも需要が伸びるとみる。買い替え需要については、2008年後半から2010年初めにかけて、次の買い替えサイクルが来ると予測。2004〜2005年のサイクルと比較すると穏やかな伸びになるとしつつも、PC出荷全体の60%、米国のPC出荷の80%近くを占める買い替え需要が市場全体に与える影響は大きいとしている。

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