初めての投資信託(前編)投資初心者はまずここから(3/3 ページ)

» 2008年03月14日 08時00分 公開
[フィナンシャルリッチ特集取材班,Business Media 誠]
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投資信託のメリットは?

ジョインベスト証券のエグゼクティブ・オフィサー大竹のり子氏

 投資信託は自分で投資を行うだけの金融リテラシーが不足していたり、株価の動向などを常にチェックする時間のない人などに向いているといえよう。ジョインベスト証券のエグゼクティブ・オフィサーの大竹のり子氏は、投資信託のメリットとして少額から取引できることを挙げる。

 「株式を買う場合、まとまった資金が必要となる銘柄が多いのですが、投資信託の場合は1万円から投資できる商品が多いです」という。また外国株式への投資は情報や経験がないと、個人投資家が利益を手にすることは難しい。しかし投資信託であれば「ファンドマネージャーに運用を任せているので、安心感が大きいことがメリットです」

 投資信託はファンドマネージャーが運用してくれるものの、「絶対に利益を手にすることができる」ではなく、常に元本を割る可能性が伴う。しかし商品によって利益が違ってくるのは、ファンドによって投資対象や運用方針が異なるからだ。

 金融商品の基本でもあるが、大きなリターンを望むほどリスクも大きくなる。一般的に投資信託でリスクが大きいのは国際株式、次いで国内株式、外国債券、国内債券とされている。しかし「外国債券も新興国の債券を組み入れた投資信託であれば、国内株式よりもリスクが高くなることがあります。あくまで個々の商品によって、リスクが違うことを理解することが大切です」(大竹氏)

投資信託は“福袋”、希望は言えない

 次に投資信託の名称を見ていただきたい。「日本成長株オープン」「公社債オープン」など、株式中心か公社債中心か名前で分かる商品が多い。また国内株式か国際株式など、どこに投資しているのかもだいたい見当がつく。しかし、実際に購入する前には「目論見書(もくろみしょ)」を読む必要がある。目論見書には商品の運用方針や投資の対象、リスクの種類、いくらから購入できるかなどが記載されている。

「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」の目論見書

 投資信託を購入する前に、大竹氏は注意点を挙げた。「投資信託というのは“福袋”のようなものです。外国株がメインの商品だからといって、『最近はA国の株式が良いから、投資の比率を増やして欲しい』といった希望は言えません」。福袋は基本的に何が入っているかは分からないお任せ商品。なので投資信託の場合は、「目論見書で投資対象や運用方針などを確認し、納得しなければなりません」

 投資信託を購入する前には、目論見書をじっくりと熟読することが必要だ。しかしページ数が多い(50ページ以上ある目論見書が多い)ため、後編で「最低限見なければならないポイント」を紹介する。

個人投資家に人気が高いノーロード

 また、その商品が「ノーロード」か否か、という見方があることを紹介しよう。投資信託は一般的に、3回の手数料がかかる。買うとき、売るとき、そして保有中だ。初めて投資信託を購入する人にとって最も違和感があるのは、保有中にかかる手数料だろう。これは投資信託を販売する金融機関や運用する投資信託会社などが業務の報酬として受け取る手数料で、「信託報酬」と呼ばれる。年率○%と表示され、商品ごとに数値は違うがゼロはない。

 ノーロードとは商品を購入する際の手数料が無料、という商品だ。信託報酬と売る際にかかる手数料は必要ないため、個人投資家からの人気は高い。

 本記事を読んで、なんとなく商品のイメージをつかむことができただろうか。投資信託の分類が分かっただけで、自分に合っている商品がぼんやりと見えてきた人もいるかもしれない。

 後編では、初心者にお勧めの投資信託などを紹介していく。

 →初めての投資信託・実践のための5つのポイント(後編)

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