初めての投資信託(前編)投資初心者はまずここから(2/3 ページ)

» 2008年03月14日 08時00分 公開
[フィナンシャルリッチ特集取材班,Business Media 誠]

投資信託の種類

 投資信託にはさまざまな種類があるが、投資する対象を大きく分けると、株式投資信託と公社債投資信託がある。まず株式投資信託は、株式を組み入れて運用できる投資信託で、一般的に公社債投資信託よりリスクが大きいとされている。

タイプ 株式投資信託の運用内容
国内株式型 国内株式を中心に運用している。
国際株式型 外国株式を中心に運用している。
バランス型 株式と公社債などで運用している。株式の組み入れ限度は70%未満となっている。
転換社債型 株式の組み入れ限度は30%以下となっている。主に転換社債(現金以外に株式で請求できる社債)に投資している。
派生商品型 先物取引(現在の価格と比較して、将来の価格がどうなるかを予測して売買する取引)などのデリバティブ(派生商品)を積極的に使って、大きなリターンを狙っている。

 一方の公社債投資信託は、国債や社債、地方債などの債券に投資し、株式の組み入れは不可能となっている。償還日(投資家にお金が返還される日)まで待つと元本と利息が保証されている公社債で運用されているため、元本割れのリスクは比較的低い。また安定した運用を目指すもののほかに、新興市場や先物取引などのデリバティブへの投資を通じて、ハイリターンを狙うタイプもある。

タイプ 公社債投資信託の運用内容
国内債券型 日本の国債や社債などを中心に運用している。
外国債券型 外国の債券を中心に運用している。
内外債券型 国内外の債券に投資している。
派生商品型 先物取引などデリバティブ(派生商品)を積極的に使って、大きなリターンを狙っている。

 このほか「追加型」(いつでも買え、いつでも売れる)の投資信託もあり、「長期公社債投信」(公社債を中心に運用し、毎年1回収益を分配)、「中期国債ファンド」(国債を中心に運用)、「MRF(マネー・リザーブ・ファンド)」(信用度の高い国内外の公社債で運用)、「MMF(マネー・マネジメント・ファンド)」(国内外の公社債や短期の金融商品で運用)がある。

 また株式投資信託と公社債投資信託には、運用期間や運用方法、分配方式によっても分けられる。

運用期間による分類

単位型 募集期間に購入できるタイプで、追加購入はできない。一定期間換金はできず、換金方法にも制約がある。じっくりと資金を育てたい、という人に向いているだろう。

追加型 募集期間を過ぎても、いつでも購入することができ、また売ることもできる。

運用方法による分類

インデックス型 日経平均株価やTOPIXといった指数に連動した「インデックス型」や、自動車や電機など一定の業種に属する株式を対象にしている「業種別インデックス型」がある。一般的にアクティブ型よりも手数料が安い。

アクティブ型 日経平均株価やTOPIXなどの指数を上回る運用成果を目指す商品。ファンドマネージャーの能力が問われ、手間が掛かるためインデックス型よりも手数料は高い商品が多い。

分配方法による分類

分配型 投資信託の運用成果を分配金(毎月など)として投資家に還元する。

無分配型 「満期時まで」または「換金時まで」といった形で、一定期間分配をしない。「無分配」と聞けばあまり印象は良くないかもしれないが、投資家に分配しないことで、ファンドの規模(基金)が小さくならないというメリットがある。そのため、分配型にも一定期間ごとに分配金が現金で支払われるタイプと、分配金を現金では受け取らず、再度投資に回すタイプがある。後者のほうがファンドのスケールが小さくなりにくいため、効率的な運用が行えるとされている。

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