世界のデジタル情報量、初めてストレージ容量を超える

» 2008年03月13日 15時56分 公開
[ITmedia]

 2007年、世界のデジタルデータの総量が初めてストレージの容量を超えた――米調査会社IDCが、米ストレージベンダーEMCの委託でこのような調査結果をまとめた。

 調査によると、「デジタルユニバース」(全世界で生成あるいは複製されたデジタル情報の総量)は、2007年に2810億Gバイト(281エクサバイト)に達した。世界人口で割ると、1人当たり約45Gバイトとなる。この数値は当初の予測を10%上回っているという。

 デジタルユニバースの規模は2011年には1.8ゼタバイト(1800エクサバイト)に達する見通し。2006年と比べると、5年間で10倍に増えることになる。

 2007年には、デジタルユニバースが初めて世界のストレージの総容量を超えた。すべてのデジタル情報が保存されるわけではないが、2011年にはデジタルユニバースの約半分が恒久的な保存先を持たないことになるとIDCは予測している。

 同社はデジタルユニバースの急成長の理由として、デジタルカメラ、デジタル監視カメラ、デジタルテレビの世界的な出荷増を挙げている。そのほかに急成長している分野には、新興国でのインターネットアクセスの増加、センサー、クラウドコンピューティング対応のデータセンター、SNSなどがあるという。

 また2007年には、金融記録やメーリングリストに載った名前、Web閲覧の履歴や監視カメラに写った映像など、消極的に生み出されたデータ――「デジタルシャドウ」と呼ばれる――が急速に増えた。これは、写真を撮る、電子メールを送るなどユーザーが積極的に生み出したデータと対極にあるもの。同年には、デジタルシャドウが初めてデジタルユニバースの半分を超えたという。

 「人々のデジタルデータが増え続けるにともなって、そうしたデータのプライバシー、保護、可用性、信頼性に対する組織の責任も大きくなる。組織のIT部門には、情報の誤用や漏えいに関するリスクやコンプライアンスルールへの対処、セキュリティ侵害への対策の負担がかかる」とEMCは発表文で述べている。

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